くらし 姫路市民栄誉賞

本市にゆかりが深く、特に顕著な功績があって、本市の名を高めるとともに、広く市民に敬愛され、社会に明るい希望を与えた個人・団体に贈る「姫路市民栄誉賞」。この度、書家の黒田賢一さんと、浪曲師の京山幸枝若さんに本賞を授与しました。

■黒田賢一さん(書家)
▽受賞コメント
このたび、国宝であり世界遺産でもある姫路城の下で、名誉ある姫路市民栄誉賞を受賞できたことは感激であり、また大変感謝をしております。
IT化が進む現代においても、心を込めた手書き文字の良さは不変です。日本の伝統文化である書道の魅力をこれからも伝えていきたい。展覧会などの活動を続け、特に若い世代に興味を持ってもらえたら嬉しいです。姫路には、市民の一体感を育んできた祭り文化などの伝統文化もあります。こういったものも含め、これからも大切にしていきたいです。
さらに、書道を国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産に登録する活動を続けており、来年末の実現を目指しています。引き続き書道界を挙げ、力を合わせて進めていきたいと思います。

▽PROFILE
本市在住。かな書道家の西谷卯木に師事。力強いかな書道作品で改組第1回日展に初入選。その後、2度の特選を受賞し、日展審査員に就任。平成4年、かな書道団体の名門「正筆会」の理事長に、20年には会長に就任。また、各種団体の要職を歴任し、日本の独自文化の一つである、かな書道の魅力発信、普及発展に尽力。令和元年、日本芸術院会員となり、5年には文化功労者として顕彰された。本市においては、平成24年に姫路市芸術文化大賞を受賞。令和2年に姫路ふるさと大使に就任し、地域の魅力発信にも貢献している。

■京山幸枝若さん(浪曲師)
▽受賞コメント
私は姫路で育ち、浪曲の世界に飛び込みました。さまざまな困難に見舞われても諦めず、努力を続けた結果、浪曲という芸能分野で重要無形文化財保持者に認定され、大変名誉に感じています。また、生まれ育ったこの姫路で市民栄誉賞をいただけたことは、感無量です。姫路にいる兄弟や親戚にも誇らしい気持ちです。
姫路には観光名所が多くありますが、大阪の仲間を連れて来るなら、やはり姫路城を見てもらいたい。また、姫路が発展していく様子に驚きと喜びを感じていますが、私が育った長屋の独特の雰囲気や、住民同士の助け合いの精神は今でも忘れられません。義理や人情は姫路に根付いた大切な文化です。今後は姫路で里帰り公演を行うなど、皆さまに恩返しをしたいと考えています。

▽PROFILE
本市出身。昭和46年、父の初代京山幸枝若に入門。翌年に京山福太郎を名乗り、平成16年に二代目京山幸枝若を襲名。力強く伸びやかに響かせる高音、緩急自在の節と啖呵(たんか)によって作品世界を情感豊かに語る芸は高い評価を受け、中でも「侠客(きょうかく)伝」や滑稽味のある「名人物語」などの語りに磨きをかけ、軽快で華やかな独自の芸を創り上げた。また、浪曲親友協会の会長職を長く務め、後進の指導・育成にも尽力。浪曲語りの継承、関西浪曲界の発展にも寄与している。令和6年に浪曲師として初めて重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定された。

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