子育て 〔Column〕学び育つ

■学校給食で食への関心を高める
市立多田東小学校 校長 若生雅史さん

◇食に興味を持ってもらう
「給食の時間を、家庭では学べないことを学べる時間にしたいと思っています」
そう話すのは、市立多田東小学校校長の若生雅史さん。給食の献立の検討や給食指導を考える小学校給食指導担当校長を務めています。
「小学校の給食は、各小学校に調理室があり、手作りで調理しているので、出来立てが食べられます。献立には、季節の食材や行事食を取り入れ、食を通して旬の食材を知ったり、マナーについても学んでもらいたいです。また、地元の食材を使うことで、自分のまちに興味を持ってくれたらうれしいですね」

◇給食も学びの場に
給食は、おいしく食べるだけではなく、学びにもつなげていると若生さん。
「校内放送や、電子黒板などで、その日の献立の説明や食にちなんだクイズなどを発信しています。子どもたちにグリンピースのさやをむいてもらい、それを調理して給食に出すなど、子どもたちが自ら食に触れる機会をつくっています。自分たちが関わった分、よりおいしく食べてくれます。また、阪神淡路大震災が発生した1月17日には、避難所生活でおむすびに助けられた人がたくさんいるという話から、自分たちでおむすびを作って食べてもらっています。出された給食を食べるだけではなく、作り手の思いも考えながら食べる経験を通して、学びにつなげています」

◇給食を大切な思い出に
給食の新たな取り組みとして、令和6年度の3学期にリクエスト給食を実施しています。これは、6年生にアンケートを取り、投票数の多かった人気の献立を卒業前にもう一度提供しようという取り組みです。
「給食は、提供されたものを食べるという考え方から、子どもたちの声を取り入れるものに変わってきています。子どもが幸せな生活を送ることができる社会をめざす『こども基本法』に基づいて、今後も子どもたちの意見を取り入れていきたいです。給食の時間が、小学校での楽しい思い出として記憶に残ってくれれば。そして、給食を通して経験したことが、将来自立した時に役に立ってくれたらうれしいです」

◆リクエスト給食
各小学校の栄養教諭や調理師が、手作りの給食の味を子どもの記憶に残したい、食事の喜びや楽しさを理解し、より給食に興味を持ってほしい、という思いから、令和6年度に初めて行った「リクエスト給食」。今回取材した時の献立は、8位になった「ハヤシライス」でした。
給食を食べている様子は、本紙26ページのフォトニュースで紹介しています。

問合せ:給食課
【電話】072-740-1243