文化 〔特集〕探検・体験・再発見 加茂遺跡(国指定史跡)(1)
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- 自治体名 : 兵庫県川西市
- 広報紙名 : 広報かわにし milife 令和7年8月号
川西市には約100件もの指定・登録文化財があることを知っていますか。市内で国に指定されている文化財は、多田神社や満願寺、加茂遺跡などがあります。今回は、弥生時代集落遺跡の中でも有数の規模を持つ加茂遺跡について紹介します。
◇〔加茂遺跡の発掘されたもの〕栄根銅鐸 明治44年に発見
高さ1.14メートル 全国で10位以内に入る大きさ
願い事や祭りに用いられた釣り鐘形の青銅器。「鳴らして聞く銅鐸」から「見る銅鐸」へ変化しました
◇〔加茂遺跡の発掘されたもの〕大型掘立柱建物(ほったてばしらたてもの)と方形区画跡※
※掘立柱建物を板塀で囲むことで特別な空間を創り出していました
掘立柱建物とは地面に柱穴を掘り、そこに柱を立てた建物
集落の首長層の住居か、宗教施設として使われていた可能性が推定されています
◇〔加茂遺跡の発掘されたもの〕石器
石包丁や石鏃、石斧などたくさんの石器が出てきています
石を使って槍(やり)や弓矢を作って戦っていたといわれています
■大切な宝物を守る役割
文化財は、昔の人の暮らしや文化を知る上で、とても大切な宝物です。例えば、古いお寺や道具、昔の人が住んでいた跡などがあげられます。
国や自治体などは、この文化財を壊さないように守る役割があります。市でも、予算を使って地面の中を掘って調べたり、見つけたものを記録したりしています。そのために、文化財のことをよく知っている人たちが、市役所で専門の仕事をしています。
文化財の中でも重要なものは、国や自治体が「指定」や「登録」をして保護しています。加茂遺跡は、特に大切に守らなければならないとされている国の「指定文化財」に選ばれています。
そして、まだ地面の中に埋まっていて、掘ってみないと何があるか分からない文化財のことを「埋蔵(まいぞう)文化財」といいます。この埋蔵文化財が埋まっている場所がいわゆる遺跡です。発掘することで、昔の人が使っていた道具や、古い建物の跡が見つかることがあります。
■加茂遺跡の歴史
加茂遺跡は、加茂1丁目や南花屋敷2・3丁目の台地の上にあります。今から約100年前の明治44年に、崖下から銅鐸が発見されました。続いて、大正時代に鴨神社の周辺で弥生土器や石器が散らばっていたことが分かり、加茂遺跡が見つかりました。
近年の発掘調査から、約2000年前の弥生時代中期には、東西800メートル、南北400メートル、広さ約20ヘクタールの近畿地方でも有数の大きな集落だったことが分かりました。
遺跡の東部には、主要施設と考えられる板塀で囲われた大型建物と竪穴住居からなる居住区。西部には墓地、集落中心域の周りを堀が取り囲んでいたなど、当時の集落での暮らしの様子が分かってきています。弥生時代後期から古墳時代の竪穴住居や奈良・平安時代の掘立柱建物なども見つかっています。以上のような成果から、全国的にも大変重要な遺跡であると考えられ、平成12年に鴨神社の境内地とその周辺の一部が国の史跡として指定を受けました。
■加茂遺跡のココがスゴイ
◇01大規模な遺跡 加茂遺跡の広さは、なんと甲子園球場の約5個分!
およそ100年前に発見され、多くの研究者などが訪れている有名な遺跡。北側と東側が崖になっている台地上という特徴的な立地をしています。近畿地方を代表する大規模な集落で、弥生時代の文化・社会を解明するために重要な遺跡です。
◇02集落での暮らしがよく分かる
周りを堀(環壕(かんごう))で囲まれた東部の中心域に、多くの竪穴住居と最も大きな墓が見つかりました。堀の外の南部や北部にも、人が住んでいたと思われる竪穴住居が見つかっています。西部では、周りを溝で囲まれた四角い形の墓や木の棺(ひつぎ)を使った墓などが見つかり、墓地だったことが分かっています。
◇03全国的にも珍しい防御性の高い集落
ムラの南東部の急斜面で、ゆるやかなカーブを描く大きな堀が見つかりました。長さは約300メートルあり、斜面環壕として全国的にも珍しいものです。このムラは、何重にも堀で囲まれ、入り口も一つしかなく、外敵から守る工夫がされていたと考えられています。
■遺跡を通じて川西の歴史を知ろう
加茂遺跡は、約100年前に銅鐸が発見されて以来、愛好家や研究者、大学の専門の先生などが訪れるような重要な遺跡です。今回は、遺跡について大阪大学大学院で特任教授を務める福永さんに話を聞きました。
◇文化財資料館
市内で発掘された資料を整理、保管、展示する場所
文化財資料館の紹介動画はこちら
※二次元コードは本紙をご覧ください。
◇宮川石器館
加茂遺跡から採集されたものが市外へ出ていくのを防ぐために宮川雄逸さんが収集を始めたのが始まり。主に弥生土器や石器を展示
◇ボランティアガイドの会による現地案内
市文化財ボランティアガイドの会の協力で、市内の遺跡などの現地案内を随時実施しています
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