健康 意外と知らない体の話

市医師会 織田内科診療所 織田行雄

■産業医を知っていますか?
◇勤務先で働く労働者の健康を支える
産業医を一言でいうと、「事業場で労働者の健康管理を行う医師」です。学校には校医がいるように、会社には産業医がいます。
産業医の職務は、労働者の健康を守るため、専門的な立場から指導や助言を行うこと。また、健康診断の実施や、その結果に基づく措置、作業環境の維持管理、作業の管理、健康教育や健康相談、衛生教育、治療と仕事の両立支援、ストレスチェックや長時間労働者への面接指導、衛生委員会や安全委員会への出席、職場巡視を少なくとも毎月1回行うなどがあります。
常時50人以上の労働者を雇用する事業場には、労働安全衛生法という法律により産業医を選任することが義務付けられ、労働者数や有害業務の種類によっては常勤の専属産業医の選任が求められる場合もあります。なお、50人未満の事業場については産業医の選任について努力義務とされています。
産業医には、事業者や安全衛生管理者に対して意見を述べ、労働者から必要な情報を収集し緊急時には必要な措置を指示する権限があります。会社に勤めている場合、メンタルヘルス不調を含む体調不良について、産業医に相談することをお勧めします。