くらし 人権文化の創造をめざして-学ぼう人間の尊厳- 237

■たつの市民主化推進協議会総会記念講演
たつの市民主化推進協議会総会後には、講師に部落解放同盟中央本部副委員長片岡明幸さんをお迎えし、「『全国部落調査』裁判の経過と課題および情プラ法について」と題した講演会を行いました。
「全国部落調査」とは、昭和初期に行った同和地区の所在を調査したことを言い、その内容は非公開として報告書にまとめられました。2016年、その報告書に現在の地名をつけて一冊の本を作成し、インターネットで販売しようとした出版社が出てきました。それを問題として、解放同盟が出版差し止めを要求したのが、全国部落調査復刻版裁判です。
講演では、裁判の経過について詳しく話をしてくださいました。そして、8年という長い年月をかけて、2023年に裁判が確定し、日本の裁判で初めて国民には差別されない権利があると認めた判決が出たことを教えてくださいました。この判決には大きな意義があり、差別をなくすための取り組みを進めていく一つの根拠をつくったと力強く語られました。
しかし、この出版社の関係者は、裁判後も同和地区の動画を撮り、インターネットに載せるという行為を続けています。こういった差別を助長する動画や個人に対する誹謗中傷などの差別情報を削除するために「情報流通プラットフォーム対処法」(以下、情プラ法)が、今年の4月から施行されていると話を続けられました。
最後に、情プラ法の施行により、大手プラットフォーム事業者(グーグル、LINEヤフーなど)に対して差別情報や誹謗中傷などの被害を受けた時に誰でも消して欲しいと言えるようになったことを多くの方々に知らせてくださいと会場の参加者に呼びかけ、インターネット上の差別で苦しむ人をなくしていこうと締めくくられました。

問合せ:人権教育推進課
【電話】64・3182