- 発行日 :
- 自治体名 : 兵庫県新温泉町
- 広報紙名 : 広報しんおんせん 令和7年7月号 vol.238
お正月にベトナムへ旅行に行きました。ところが、旅の途中で咳が止まらなくなり、持っていた常備薬ではおさまらず、やむを得ず現地の病院を探すことになりました。英語が通じる病院をなんとか見つけることができたものの、担当の先生はとても早口で、しかも病気に関する英語は難しく、コミュニケーションにとても苦労しました。処方された薬も、日本の錠剤よりずっと大きく、すべてベトナム語で書かれていたため、どんな薬なのか分からず、不安を感じました。今回の経験を通して、外国で病院を受診することの大変さを痛感しました。にほんご広場ハピタンに来ている学習者の中にも、病院に行くことに不安を感じているという声が多く聞かれます。慣れない外国での生活の中で、そのような不安を少しでも軽くできたらと考えています。
今年度、ハピタンでは、浜坂病院に勤めるお医者さんや、途上国の課題解決に向けて活動する学生団体「PainttheWorld」と協力し、外国人住民が病院をより利用しやすくするために、何ができるかを一緒に考えています。たとえば、問診票を「やさしい日本語」で表記することで、外国人住民が一人でも病院を受診しやすくすること。また、ハピタンに来ている学習者には、診察時に使う日本語をロールプレイで練習し、いざという時に困らないように備える取り組みなどを進めています。
誰もが安心して医療を受けられる社会を目指して、これからも学習者や関係機関と協力しながら、一歩ずつ取り組みを進めていきたいと思います。
文 松岡千都さん