くらし 町長のつぶやき

春になり高野町を訪れるお客様も増加し、本年度も賑やかになってきました。役所においては令和7年度の業務は順調にスタートしております。今年度もよろしくお願いいたします。

本年3月、長く花坂の地で教育の学び舎として伝統を築いてまいりました町立花坂小学校を閉校することとなりました。明治5年に太政官布告によって学制が公布されてから、高野町で現存する小学校としては最も早い明治8年9月(1875年)に花坂小学校の前身が創立し、校舎は無量寺をお借りして教員は住職が務めていました。その後、明治35年には新しい校舎を建設し、昭和15年には高等科も設置され、それまで峠を越えて隣村の志賀小学校高等科へ4kmの道のりを通っていた子達も、この時から花坂尋常高等小学校に通うことができたそうです。

戦後の昭和22年には新学制により花坂小学校と改称され、現代のように小学校が6年制となり、高野山中学校花坂分校も同じく開校しました。当時の児童生徒は120人ほどあったそうです。昭和52年には湯川小学校が花坂小学校の分校になりました。その花坂小学校は、創立以来150年の長きにわたり、豊かな自然と地域の皆様と密着した教育環境で児童らはのびのびと育つことができました。地域にとってかけがえのない母校であり、多くの皆様に愛されてきた学校で、運動会やプール、お祭りなどのさまざまな楽しい行事の思い出が次々と湧き出てくることと思います。閉校となることは大きな寂しさでもありますが、今日までの輝かしい歴史と培われた伝統は決して途絶えることなく、いつまでも花坂の方々の胸に残り続けることと思います。

新年度から卒業生や在校生は、昨年出来たばかりの「学びの杜」の高野山小学校や中学校で、多くの新しい友人と出会い、違った環境で日々励んでることと思います。どんな時も花坂小学校の校歌にあるように、「鳴川に若い希望の夢のせて」と、花坂の鳴川に希望の夢をのせて目標に向かってまい進してほしいと思います。これまで花坂小学校にご支援を賜りました地域の皆様をはじめ、本校にゆかりのある多くの皆様に深く敬意と感謝を申し上げ、卒業生ならびに在校生の皆様の新しい未来が輝かしいものでありますことを心からご祈念申し上げます。引き続き教育環境の充実や学習の向上、ふるさとを愛する心を育て、さらなる地域振興に全力で取り組んでまいります。

いよいよゴールデンウイークに入り、更にお客様も増加することと思います。町全体で笑顔でお迎えしたいと思いますのでよろしくお願いいたします。

初夏とはいえ高野の朝晩は冷え込みます。住民の皆様におかれましても引き続き「うがい、手洗い、換気など」を心がけご自愛ください。

2025.04.08

高野町長 平野 嘉也