- 発行日 :
- 自治体名 : 鳥取県鳥取市
- 広報紙名 : とっとり市報 令和7年6月号
鳥取市立病院では、これまで手術支援ロボット「ダヴィンチ」を用いたロボット手術を行ってきましたが、このたび人工関節手術のさらなる精度向上と患者の負担軽減を目的として、鳥取県初となるロボティックアーム「Mako」など2台の人工関節手術支援ロボットを導入しました。
◇Mako(メイコー)
このたび市立病院が導入したロボティックアーム「Mako」は鳥取県内初の導入で、人工関節を体に設置する際に傷んだ骨を削り、正確にインプラント(体内に埋め込む人工器具)を設置するために使います。ロボティックアームは治療計画にない部位にさしかかると止まる仕組みになっており、予定外の動きも制御することで安全かつ正確な手術を可能にします。
◇ROSA(ロザ)
「ROSA」は、人工膝関節置換術の際に執刀医のサポートを行う手術支援ロボットで、鳥取県東部で初の導入となります。変形した膝関節にインプラントを設置するため骨を削る際、これまで医師の経験に依っていたさまざまな点をロボットがアシストすることで正確性が担保され、医師の熟練度に関わらず良好な手術が期待できます。
■ロボット支援下の人工関節手術
これまでも市立病院では、人工股関節置換術においてコンピュータ支援を受けて手術をしていましたが、今回導入した手術支援ロボットは人工股関節置換術だけでなく、人工膝関節置換術でも事前の詳細な計画と手術中のリアルタイムの調整を可能にし、インプラントを設置する際にロボットアームが医師の手術操作を支援します。
■ロボット導入のメリットとは?
(1)手術計画の最適化
手術の個別最適化を進めることができ、患者一人ひとりに対して最適な治療を提供できるようになります。
(2)手術精度の向上
ロボットの支援により、適切な量の骨を削ったり、0.5度単位の角度で骨を正確に切ることが可能です。また、人工関節のインプラントを体の適切な位置へ設置することができます。
(3)術後回復の向上
手術精度向上の結果、術後の機能回復の向上や合併症リスクの低減が期待されます。
■対象となる手術は?
◇人工股関節置換術
摩耗・変形した股関節をインプラントに置き換え、痛みの軽減を図る手術です。脱臼などの合併症を防ぐため正確な設置が求められます。患者の満足度の高い手術と言われています。
◇人工膝関節置換術
摩耗・変形した膝関節をインプラントに置き換えます。痛みの軽減と同時に、O脚やX脚などの変形が矯正され、足がまっすぐになることが期待されます。膝の内側だけを置き換える単顆(たんか)置換も行っています。
■保険適用になるの?
人工関節手術支援ロボットを用いた人工股関節置換術および人工膝関節置換術は、これまでの手術と同様に保険適用です。そのため、従来の手術とほとんど変わらない医療費で、先進的な医療を受けていただくことが可能です。高額療養費制度を利用することで医療費の負担を更に抑えることもできます。
◆第101回鳥取市立病院医療講演会
日時:6月21日(土)10:00〜11:30
場所:さざんか会館5階会議室
演題:ロボットに手術されるってホント?~人工関節手術のウラ話~
講師:河村涌志(かわむら ようし)(鳥取市立病院整形外科医師)
定員:100人
※予約不要
料金:無料
お問い合わせ先:鳥取市立病院 地域医療総合支援センター
【電話】0857-37-1522