- 発行日 :
- 自治体名 : 鳥取県智頭町
- 広報紙名 : 広報ちづ 2025年11月号
茨城県出身。宮城県の大学で観光まちづくり学を専攻。
出会った智頭町の人々のあたたかさに心を動かされ、卒業と同時に移住。現在は地域おこし協力隊として、毎日奮闘中。智頭町が誰かにとっての「第二の故郷」となるような、心温まる場所をつくりたい。その想いを胸に、地域の皆さんと共に力を合わせ、日々活動を続けています。
■耳をすませば~智頭で感じた優しい音色~
第3回でお話しした、みたらじ(インターネットラジオ)の収録をしていると、ゲストの方がよく「智頭の魅力は、自然の音が聞こえることですね」と話してくださいます。そのときは「なるほど」と思う程度でしたが、あらためて耳を澄ませてみると、鳥の声、風に揺れる木々のざわめき、川のせせらぎ…町のあちこちに優しい音色が満ちていることに気づきました。
先日、久しぶりに東京へ出かけたときのことです。駅や道路では車のエンジン音、人の話し声、工事の音が絶えず響き、思わず驚いてしまいました。普段は気にも留めない雑音に、心も体もすっかり疲れてしまったのです。私は耳が敏感で、高いモスキート音なども聞こえてしまうのですが、智頭ではそうした不快な音に悩まされることがなく、本当に心が楽になります。そのとき、智頭で過ごす日々がどれほど静かで、どれほど心を落ち着けてくれるものなのか、あらためて思い知らされました。
最近読んだ本に、「現代人の疲れの多くは精神的なものであり、その原因のひとつに“環境音”も含まれている」と書かれていました。その一文を読んだとき、私は深くうなずいてしまいました。
静けさの中に、自然が奏でる音があるそれは、暮らしの中で見過ごしがちな智頭町の豊かさであり、都会ではけっして得られない贅沢なのだと感じています。
