- 発行日 :
- 自治体名 : 島根県奥出雲町
- 広報紙名 : 広報奥出雲 令和7年9月号
■~スポ少の今とキッズの成長~
奥出雲スポーツ少年団は、子どもたちの心と体を育てる大切な場です。
子どもたちが一生懸命汗を流し、技術とともに礼儀や思いやりの心を学んでいます。
今回は、3つのチームの活動にスポットを当て、それぞれが大切にしている「育成」の形をお届けします。
◆バレーボールチーム 奥出雲町J5.C・奥出雲リアン
創立15年目を迎える小学生チーム「奥出雲町J5.C」と、部活動の地域移行に伴い今年設立された中学生チーム「奥出雲リアン」。県大会や選抜大会を目指して週2回の練習に励んでいます。
◇代表 内田雅人さん
今の子どもたちは、自分の思いや考えを言葉にする機会が減っています。でも、バレーのようなチームスポーツでは、伝える力が必要不可欠。しっかりと伝える勇気を持ち、発言して実行する力を培う。そうした経験が、自信や覚悟を持つ力につながっていきます。ボールを3回でつなぐバレーの特徴から、仲間と一緒にチームで繋いでいくという意識を育てたいという思いがあります。また町民体育館で開催する〝奥出雲カップ〞では、多くの方に応援いただき、OB・OGとの繋がりも生まれています。たくさんの方の支えや応援がチームの力になっています。
◇奥出雲リアン 藤田ららさん(横田中2年)
試合で点を取れたときや、練習でできなかったことができたときはすごく嬉しいし、チーム全体で盛り上がります。今はチームをまとめる立場なので、もっと声を出して、みんなが楽しくできるようにしたいです。
◇奥出雲町J5.C 藤原蒼空さん(阿井小6年)
バレーは一人じゃできないけど、チームで盛り上がると楽しい。今は試合になるとみんな声が出なくなることがある。一緒に声がけをして盛り上げていきたい。前に悔しい負け方をしたけど、スパイクやジャンプ力を強くしてきたので、次は思い切りやって勝ちたいです!
◆サッカーチーム 仁多FC
平成6年に発足し、今年で31年目。仁多FCは、小学生を中心に活動を続けています。現在は女子を含む19人の団員が所属し、他チームとの合同試合などを重ねながら、個々の技術とチームワークの向上を目指しています。
◇代表 影山直樹さん
一番はサッカーを楽しむことですが、サッカーを通じて健康な体と健全な精神の育成を手助けすることを目的に活動しています。練習中のプレーだけでなく、準備や片付け、挨拶など全てが自立への第一歩。最初はできなくても子どもたちが基本を当たり前にプレーできるようになると、プレーの中で判断力がつき、ポジションのズレに気づいたり、周りのメンバーに指示ができるようになる。そうした成長や力がつくようにしています。子どもが減っていく中でも、OBが父親になり、その子どもがまた入団してくれています。親子三代で関われるのは、長く続いたチームならではの関係です。
◇荒木星南さん(阿井小3年)
ドリブルができるようになったり、ボールに触れるのが楽しい!パスがつながらないときは、悔しいけど、ご飯をいっぱい食べてシュートが決めれるようになりたいです。
◇植田達洋さん(三成小6年)
試合でゴールを決めたり、シュートを止めたりできたときはとても嬉しかったです。次の試合でも練習したことを実践したいです。キャプテンになって、みんなをまとめるのは大変だけど、上級生の姿を見て憧れていたので、自分も頑張りたいです!
◆野球チーム 奥出雲レッドリーブス
平成13年、仁多野球スポーツ少年団が町全体に加入範囲が広がり、「奥出雲レッドリーブス」としてスタート。現在13人の団員が在籍し、週4日の練習に励みながら、毎月の大会出場や出雲ブロック進出を目指しています。
◇代表 鹿野努さん
負けた時の悔しさからも多くのことを学べますが、それ以上に、勝った時に自分の努力が報われる経験は、何にも代えがたい自信になります。そういう経験を、子どもたちには積ませたいと思っています。
我慢や耐える力、自分の気持ちをコントロールする力は、これからの人生を生き抜く上でとても大切。野球はチームスポーツなので、他人の気持ちにも目を向けられるようになるんです。入団の時は小さくて幼かった子も6年生の卒団の時には本当に頼もしくなり、入団時とは見違えるほどです。指示を待つのではなく、自ら考え行動できる姿は、彼らのこれからを支える力になります。
◇三澤伸太郎さん(亀嵩小6年)
ヒットが打てなかったり、エラーを続けたりして落ち込んだこともあったけど、工夫したりお父さんに相談して練習したことで乗り越えることができました。今はキャプテンとして、チームの雰囲気を良くすることを意識して、挨拶や声かけを頑張っています。
今回3つのスポーツ少年団を取材して見えてきたのは、スポーツが子どもたちに与える影響の大きさです。努力する力、声を出す勇気、自分と向き合う姿勢、仲間を信じる心がありました。その成長の背景には、熱意を持って指導する大人たち、支える家族、そして温かく見守る地域の存在があります。奥出雲町の未来を担う子どもたちが、これからも夢に向かって成長していく姿が楽しみです。