健康 まちのおもちゃ箱(3)健康コラム-保健・医療・介護・福祉

【飯南病院便り】

◆かぜや気道感染後の長引く咳にご注意を
飯南病院 医長 原田 愛子(はらだ あいこ)

今年は寒波の影響で雪が続きましたが、ようやく春の訪れを感じる季節になりました。この冬、飯南町ではインフルエンザや新型コロナウイルス感染症が流行し、多くの方が罹患されたことと思います。診療の中で、発熱や喉の痛み、鼻水といった症状が改善した後も、「咳だけがなかなか治らない」という方が多くいらっしゃいました。このような方の多くは、「感染後咳嗽(がいそう)」と呼ばれ、風邪や気道感染の後に咳が続くものでした。特に他の病気が原因ではなく、画像検査などにも異常はなく、通常は8週間以内に自然と直ることがほとんどです。特効薬はないものの、時間とともに回復することが期待できます。
ただし、ほかの病気でもかぜや気道感染の後に咳嗽だけが続くこともあります。別の病気が隠れている可能性もあるため、3週間以上咳が続く場合は、一度医療機関を受診することをお勧めします。特にご高齢の方は、ウイルス感染で抵抗力が低下し、2次的に細菌性肺炎を発症することがあります。いったん熱が下がった後に再び発熱したり、痰や咳が悪化したりした場合は、早めの受診を検討してください。
今後も気道感染症は私たちの生活に影響を与え続けると考えられます。手洗いやマスクの着用、体調が悪いときの外出を控えるなど、基本的な予防策を継続していきましょう。
※私事ですが、2025年4月より他の病院へ転勤することとなりました。短い間でしたが、地域の皆様には大変お世話になりました。これからも皆様の健康を心よりお祈り申し上げます。ありがとうございました。

◇ポイント
・かぜや気道感染の後に咳だけが残る場合があることを知っておく
・3週間以上咳が続くときは受診を検討
・ご高齢の方でいったん熱が下がった後に再び発熱したり、痰や咳が悪化したりした場合は受診を検討

【保健福祉センター便り】
◆「花粉症」の季節。自分にできる予防や対策を。
今4人に1人が「花粉症」と言われています。
花粉症は「季節性アレルギー性鼻炎」で、体内に侵入した花粉に対して引き起こされるアレルギー反応です。
花粉症予防は、極力花粉に接しないことが大切です。

◇すぐにできる対策
・外出時のマスクや眼鏡、帽子の着用
・外出後のうがい、洗顔など
同じ生活をしていても、花粉症になる人、ならない人がいます。昨年まで何ともなかったのに、急に発症する人もいます。また、年によって症状の軽い年、重い年があります。

◇花粉症を悪化させるNG習慣
(1)睡眠不足、夜更かし
(2)オーバーワーク
(3)ストレスをためる
(4)アルコール、たばこ
アルコールは血管を拡張させるので症状を悪化させる
たばこの煙は鼻の粘膜への刺激となる
(5)湯船につからず、入浴をシャワーですます
自律神経が乱れる生活習慣を送ると、花粉症を発症したり、悪化したりする原因になります

春は進級、卒業、入学、就職など、自分や周りの環境が変わり、気持ちが焦ったり、いつもより無理をしてしまう季節です。自分の容量を知って、無理をしないようにすることが必要です。花粉症に気をつけながら、春を感じ、外出を楽しみたいですね。

問合せ:
飯南病院【電話】72-0221
来島診療所【電話】76-2309
保健福祉センター【電話】72-1770