- 発行日 :
- 自治体名 : 岡山県津山市
- 広報紙名 : 広報津山 令和7年10月号
■津山市地域おこし協力隊 山本 浩登さん(加茂町知和)
愛知県出身。製鉄関連会社に就職後、起業を目指し、全国各地で働きながらビジネスの経験を積む。豊かな自然と、加茂・阿波地区で出会った若者たちの挑戦する姿に憧れ、津山市に移住。令和6年7月から津山市地域おこし協力隊として、上加茂地域で活動している。28歳。
◇多彩な経験を経て、津山へ
夏には潮干狩りができる自然豊かな海の近くで育ちました。高校を卒業後、製鉄関連の会社に6年間勤めた後、自然に関わる仕事での起業を目指し、短期アルバイトでリゾート地や山小屋の住み込みなど、さまざまな仕事を経験しながら全国を周りました。たまたま働くことになった阿波のグランピング施設で、加茂地域で活動する同年代の若者たちと出会い、生き生きと働く姿に憧れました。阿波を離れた後も、風景や人の温かさが忘れられず、自分も「この地域で挑戦したい」と津山市地域おこし協力隊に応募し、上加茂地区の協力隊員として任命されました。
1年目は特に地域との繋(つな)がりを大切にし、祭りや餅つき、草刈り、雪かきなど、多くの行事や作業に参加しました。また仏事で使われる常緑樹「シキミ」の栽培を学び、手入れされなくなった枝の剪定(せんてい)や出荷にも挑戦しました。雑草に覆われた休耕田で、草刈りや獣害防止フェンスの設置から始め、サツマイモの植え付けができたときの達成感は忘れられません。
◇地域の課題と魅力
高齢化と人手不足が地域の大きな課題だと感じました。まずは、農作業の効率化を目指し、作業記録のデータ管理、ドローンによる農薬散布などの研究から始めました。初期投資を抑え、収益率の高い作物を出荷できるようになれば、若い生産者が増えるきっかけになるはずです。
わたしが活動する上加茂地区は、外から来た人を温かく受け入れてくれる雰囲気があり、若い人が新しいことを始めやすい土地です。四季折々の自然も美しく、夏の終わりに金色に輝く稲穂が揺れる光景に胸が熱くなります。移住者としてのリアルな日常や景色をSNSなどで発信していくことで、都会に住む人にも上加茂の魅力を知ってもらい、実際に訪れてほしいです。
◇民泊から繋がる人の輪
農業体験に加え、送迎があり、宿泊などもできる民泊の開業に向けた準備を進めています。滞在や移住など、さまざまな形で地域に関わる人を増やすことが最終目標です。これから地域に関わっていく人たちのためにも、なじみやすく風通しのよい環境を整え、若い人が活躍できる場を広げていきたいです。