くらし 災害に強いまちを目指して

未曽有の大災害となった「平成30年7月豪雨(西日本豪雨)」から7年が経過しようとしています。
市ではハード面に関しては、住宅、生活基盤、インフラなど、令和4年度末までに災害復旧事業は全て完了しました。ソフト面に関しては、地域防災力の向上を目標に掲げ、現在も取り組みを進めています。
今後、地域が災害に強いまちを目指していくために必要な取り組みや考え方は何か?今月号では、地域おこし協力隊として「地域防災力の向上」をミッションに活動している小野(おの)智行(ともゆき)隊員に話を聞きましたので、紹介します。

◆小野智行 隊員 プロフィール
京都府出身。大学卒業後、陸上自衛隊へ入隊。自衛隊員の立場で防災を経験後、令和2年から真庭市の地域おこし協力隊として、3年間防災に関する活動を行う。その後、縁あって高梁市へ移住し、令和6年7月から高梁市地域おこし協力隊として「地域防災力の向上」をミッションに現在まで活動中。

◇地域協力活動への思い
「地域防災力の向上」をテーマに活動している小野智行です。本市は、吉備高原の強固で安定した地盤の上にあり、活断層がないため、地震や火山活動、津波の影響を受けにくい地域です。また、平成30年7月豪雨災害(西日本豪雨)の復旧工事が完了し、水害対策に力を入れているため、市民が安心して過ごせる環境が整っています。
私は昨年高梁市へ移住しましたが、地域おこし協力隊の防災担当であり、地域の防災を担う市民の一員として、災害に強いまちを目指した取り組みを広げていきたいと考えています。

◇地域防災力を高めるために~「自分で」「自分たち」で守る気持ちを大切に~

地域防災力とは、「自助」「共助」「公助」が互いに連携し、それぞれの役割を進めることで培われるものであると考えています。
実際に災害が起きた際は、公助による支援がすぐには届かないことがあります。大切なのは、地域の皆さんが主体的に自分の身と自分たちの地域を守る意識を持つことです。その上で、市民、地域、行政が互いを補完しつつ、連携して地域を支え合う力を伸ばす必要があります。
私はそのための「自助」「共助」を中心とした取り組みを推進しています。

◇小野隊員の現在の取り組み
・防災講座~マイ・タイムラインの作成~
私が携わる取り組みの一つが「防災講座」で、市内の各団体、町内会、自主防災会や学校などにマイ・タイムラインの作成に関わる支援を行っています。
高梁青年会議所の協力により広がり始めたマイ・タイムラインは、例えば台風による大雨災害を想定して、台風が発生してから実際に災害が発生するまでに何を準備すべきかを整理するものです。これを作成しておくことで、災害時に余裕を持って安全に避難でき、命を守るための道筋が明確になります。
さらにマイ・タイムラインを地域内で共有できれば、地域単位での防災力の向上に繋がり、防災をきっかけに円滑な地域コミュニティの形成、地域のまちづくりにも繋がっていくと考えています。

・子どもたちへの防災教育
子どもたちへの「防災教育」にも力を入れています。昨年から市内の小・中学校を訪問し、防災教室を開いており、今年の7月には小学生を対象に「ジュニア防災検定」の開催を予定しています。子どもたちが防災について学び、自発的に考えるきっかけになればと思っています。
子どもたちが防災意識を高めると、それが家庭にも広がり、保護者の防災意識の向上にも繋がります。さらに、この経験が地域の未来の防災リーダーの育成にも繋がります。

◇今後に向けて~災害に強いまちを目指すために~
地域の皆さん一人一人が防災について考え、円滑な地域コミュニティが形成されることで、「災害に強いまちづくり」に繋がると確信しています。
さらに、この取り組みを進めることで、地域の安全と安心がより強固になり、それが地域の魅力となり、やがて市外からの観光や移住にも繋がっていくと考えています。
私も引き続き、地域の防災意識の向上を市内で広げていくとともに、市外の人へも高梁市の防災についてPRしていきたいと思っています。

問合せ:危機管理課
【電話】21-0246