文化 第26回朗読会 永瀬清子の詩の世界

2月8日、くまやまふれあいセンターで、第26回朗読会「永瀬清子の詩の世界」が開催されました。今回の朗読会は、赤坂グリーンヒルズの皆さんによる混声合唱組曲「美しい三人の姉妹」(作編曲・髙原景介)の合唱、柳瀬美智子さんの「唇の釘」の朗読で幕を開けました。
会の始まりには、永瀬清子と親交が深く、昨年11月に亡くなられた谷川俊太郎さんに敬意を表し、黙とうを捧げました。
続いて第22回永瀬清子賞表彰式では、入賞した岡山県内の小中学生15人に賞状が授与されました。優秀賞受賞者はそれぞれの作品を朗読し、会場から大きな拍手が送られました。選考委員の重光はるみさんからは、受賞者たちへ向けた励ましの言葉が贈られ、子どもたちの未来への期待が込められました。
さらに、日本近代文学研究者で文芸評論家の尾形明子さんによる講演が行われました。劇作家・長谷川時雨の人物像や永瀬清子の詩「夏」に驚いたエピソード、永瀬清子が書いた長谷川時雨への追悼詩「哀傷歌」について、林芙美子や松田解子(ときこ)など同時代の女性文学者との交流について紹介。最後に、最晩年の永瀬清子と岡山市で会った思い出も語りました。
没後30年の節目となった会では、多彩なプログラムを通じて、永瀬清子の詩や文学に新たな発見をし、女性文学者たちの交流や思い出に心をはせることができました。子どもたちの未来への希望とともに、永瀬清子の詩がこれからも多くの人々の心に響き続けることを願っています。

○永瀬清子プロフィール/詩人(1906年~1995年)
現在の赤磐市松木に生まれる。生涯現役の詩人を貫いた現代詩の母。みずみずしい言葉で自然や生活をうたった。詩集に『グレンデルの母親』(第1詩集)、『美しい国』、『春になればうぐいすと同じに』、短章集『流れる髪』、随筆集『光っている窓』、絵本『ひでちゃんのにっき』、最新刊に谷川俊太郎選『永瀬清子詩集』(岩波文庫)など多数。第1回岡山県文化賞、第19回三木記念賞、詩集『あけがたにくる人よ』により地球賞、ミセス現代詩女流賞など多数受賞。日本現代詩人会物故名誉会員。

◆「第22回永瀬清子賞」受賞者
※詳細は本紙をご覧ください。

◆哀傷歌
※詳細は本紙をご覧ください。

問合せ:教育委員会熊山分室
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