- 発行日 :
- 自治体名 : 岡山県鏡野町
- 広報紙名 : 広報かがみの 2025年10月号
■「保健室が在ること」
鏡野町とご縁があり、二年前まで赴いたこともなかった地で、養護教諭としての生活が始まりました。初めて鏡野町に訪れたとき、美しい新緑と桜、香々美川がきらきら輝いていました。中学生の頃から夢だった養護教諭になる実感が湧き、心が踊ったことを今でも覚えています。そして、迎えた始業式。初めて先生としてあいさつをしたとき、緊張もしましたが、温かい雰囲気で安心しました。それから、現在の学校で勤務して二年目になります。
全校児童、五十人以内という規模は、子どもに目が行き届きやすく、「一人ひとり、丁寧に寄り添いたい」という私の想いに合っていました。学校行事は、全校児童、そして保護者や地域の方々も協力してくださることが多く、私も児童と一緒に参加することがあります。また、毎日の給食や掃除などでも児童と一緒に過ごしています。日々の関わりの中で、児童の様子を見たり、体調を確認したりすることを意識しています。コミュニケーションもとりやすく、子どもが昨日あった出来事や楽しかったことなど、たくさん話してくれることが嬉しいです。
日々、子どもたちから元気をもらっていますが、小規模なこともあり、児童が保健室に訪れない日もあります。保健室利用者が居ないということは、全児童が一日をけがなく元気に過ごした証拠です。養護教諭にとって、それは何よりの喜びですが、働き始めた頃は、素直にそう思えないときもありました。「学校にとって、保健室が必要とされているのか、保健室の先生になれているのか」と悩んでいた頃、とある養護教諭の研修会に参加しました。その講演会の中で、講師の方が言いました。
「保健室は、子どもにとって安心できる居場所です。養護教諭の皆さんは、ただ笑顔で学校に居るだけでいいんですよ。」当時の私はこの言葉に救われ、保健室の在り方が見えた気がしました。
研修会の翌日、いつも通りに学校に行くと、変わらず元気に登校している子どもたち。子どもの元気な顔を見ることができるのが何よりの喜びであり、「私も毎日変わらず、笑顔で過ごしたい」と思いました。そして、「いつでも子どもを温かく受け入れ、安心できる存在になりたい」という初心の気持ちを思い出しました。
保健室は、けがや体調不良のときはもちろん、ただ話を聴いてもらいたいとき、一緒にオセロなどで遊びたいときなど、誰でも来室して良い場所だと思っています。来室しやすい保健室にするために、日頃から児童と関わる中で信頼関係を築くことを大切にしています。信頼できる大人に頼る力は、児童が中学生になってからも将来、必要な力となるはずです。児童にとって、保健室は必要なときにいつでも温かく受け入れてくれる存在となっていれば嬉しいです。学校に保健室が「在る」ことに意味があると思っています。
子どもたちが元気に一日を過ごせるようにそっと見守りながら、今日も保健室は在り続けます。
鏡野町生徒指導推進連絡協議会
香々美小学校 難波真帆
■のびのびひろば
◆大好きいっぱい♡~生き物との触れ合いの中で~
子どもたちは身近な生き物との触れ合いが大好き。図鑑や虫取り網を片手に虫探しをしたり、アオムシやカブトムシを飼育したりする中で、はじめは少し離れて見ていた子も少しずつ触れるようになったり「ダンゴムシ丸くなった‼」「おもしろい顔してる‼」とじっくり観察したり、生き物との触れ合いを楽しんでいます。
なんでも触ってみたい‼ただ、触りすぎて弱ってしまうことも…。
生き物との触れ合いの中で「手はあたたかすぎるけん、土にいれてあげよう」「草や花もいるんじゃない?」と優しさや大切にする気持ちが育っています。
◎虫眼鏡で見たり、図鑑で調べたり…、驚きと発見がいっぱいです。
◇チョウチョさんげんぎでね【4歳児】
育てていたアオムシがチョウチョになり、大喜びのさくら組さん。「この後どうする?」とみんなで相談すると、「ごはんがないからかわいそう」と逃がしてあげることになりました。「元気でね」「捕まらないでね」「また遊びにきてね」と手を振って見送りました。
◎「すごい‼」「みてみて‼」「どうして?」子どもたちの興味、発見はまだまだ続きます‼
(芳野こども園)