子育て 【特集】吉備中央町 中学生国際交流研修(1)

【中華人民共和国江蘇(こうそ)省淮安(わいあん)市淮安区へ】
1996年8月に、中華人民共和国江蘇(こうそ)省淮安(わいあん)市淮安区で第1回目の中学生訪中が行われて以来、13回目を迎えた国際交流事業。今年は8名の中学生が選ばれ、引率者4名と通訳1名の合計13名で、さまざまな交流活動を行いました。
まず、訪中に当たり、加賀中学校の大場校長を団長とした研修団を結成。8月2日の壮行式では、学生リーダーの大地(おおち)きなりさんが、吉備中央町国際化推進協会の土居(どい)会長を前に決意表明を述べ、皆それぞれの思いを胸に出発しました。
その後、8月7日までの6日間、熱烈な歓迎を受けた歓迎会をはじめ、周恩来(しゅうおんらい)記念館、漕運(そううん)博物館、淮安府署、外国語学校への訪問などを行い、中学生は2泊3日のホームステイも体験しました。
この研修で、中学生は今まで以上に海外への興味関心を深め、異文化を肌で感じることができました。そして、国際理解の基本である「相手を正しく理解すること、そして自分を正しく理解してもらうこと」を学び、コミュニケーション能力や協力する力を育み、視野を広げました。
特集では、現地での交流の様子や、団員の感想の一部をご紹介します。

【淮安市淮安区との友好提携協定】
■互いの信頼と友情を深め、日中国交回復と友好に尽力した岡崎嘉平太(おかざきかへいた)氏(1897年~1989年)と周恩来総理(1898年~1976年)の故郷である、吉備中央町と江蘇省淮安市淮安区は、二人の遺志を受け継ぎ、1993年に互いに表敬訪問を行い、意向書を交換しました。1995年には覚書、1999年には友好提携協定を結んでいます。
町では引き続き、研修団などの相互派遣を通して文化交流を行い、友好の絆を深めていきます。

▽周恩来故居(こきょ)にある井戸
「水を飲むとき、井戸を掘った人のことを忘れない」という、中国で岡崎嘉平太氏を語る時に引用される言葉を思いながら水を汲みました。

▽岡崎嘉平太氏が植えた桜
大きく育っていて、月日の流れを感じました。

▽西遊記(さいゆうき)の著者、呉承恩(ごしょうおん)故居
三蔵法師と孫悟空たちの像がありました。

▽歓迎会
円卓いっぱいの淮揚(わいよう)料理を楽しみ、お礼に桃太郎の劇を披露。練習の成果を出し切りました!

▽漕運博物館
練黄河(れんこうが)と長江(ちょうこう)を横断する京杭(けいこう)大運河の歴史を学びました。

▽百斯特(BESTA)生産農業園
大規模な農園。岡崎嘉平太氏のつながりで、全日空への野菜の提供も行っているそうです。

▽淮安市青少年総合実践基地
中国の伝統技法を使った漆扇(しっせん)の製作や、アートな点心づくりなど、充実した1日を過ごしました。

▽お世話になったホストファミリーの皆さん
学生の皆さんと椅子取りゲームやボート漕ぎなどを楽しみ、交流を深めました。

▽淮安外国語学校
淮安外国語学校と加賀中学校の間で「中日教育交流協定書」を締結しました。

~研修団員からの一言コメント~
●訪問団団長 加賀中学校
校長 大場(おおば)めぐみさん
6年ぶりの淮安訪問は、淮安の方の温かい心遣いを感じる毎日でした。淮揚(わいよう)料理を堪能し、淮安の歴史や文化に触れる貴重な体験をしました。

●訪問団副団長 協働推進課
課長 大月道広(おおつきみちひろ)さん
これまでのつながりを大切にしながら、今後も交流を続け、深めることで、ますます理解が進むと感じました。

●加賀中学校
教諭 小野智慶(おのともよし)さん
歴史ある街の淮安に訪れたことで、中国の文化や歴史の奥深さを知ることができました。この経験を多くの生徒に伝え、還元していきたいです。

●協働推進課
信川香織(のぶかわかおり)さん
熱烈な歓迎をいただいた6日間。時を越えて受け継がれる歴史に触れ、この交流の意義を改めて実感しました。

●大地(おおち)きなりさん
3年生(リーダー)
私が一番印象に残っているのは、ホームステイ先の方が日本語に興味を持ってくださり、「おいしい」「かわいい」を何回も言っていたことです。国境を越えた心の交流ができたと感じ、とてもうれしかったです。

●戸田治希(とだはるき)さん
3年生
たとえ言葉が分からなくても、相手を思う態度は通じることが分かったから、国や文化が違っても分かり合えると信じられるようになりました。

●松田翔流(まつだかける)さん
3年生
この研修で、広い視点を持つことが大切だと学びました。これからは、勇気を出してさまざまなことにチャレンジしたいです。

●大森妃奈乃(おおもりひなの)さん
2年生
最初は気まずさも不安もあったけれど、みんなととても仲良くなれて、中国の文化も学べて、心の底から行ってよかったと思っています!

●大倉英治(おおくらえいじ)さん
3年生(サブリーダー)
言語は違っても、お互いを理解しようとする重要性が分かりました。この経験を胸に、何事にも挑戦していきたいです。

●坂井香南(さかいかな)さん
3年生
日本と中国の文化の違いに触れ、ホームステイ先や学校訪問での人とのつながりを大切にすることができました。とても貴重な経験になりました。

●大谷新太(おおたにあらた)さん
2年生
「欢迎光临(ホァンイングァンリン)(いらっしゃい)」この言葉を聞けて、日本にいたときよりも、さらにぬくもりを感じることができました。中国に行けてよかったです。

●吉田小春(よしだこはる)さん
2年生
この研修を通して、人の温かさや文化の違いを知り、自分の世界を広げることができました。学んだことを忘れずに、未来へつなげていきたいです。