子育て 【特集】吉備中央町 中学生国際交流研修(2)

「異なる文化を超えるためには」
~6日間の研修を終えて~
大地(おおち)きなりさん(3年生)
今回、国際交流研修に参加して中国に行き、私は、中国に対する印象がとても変わりました。私は、中国に行く前、日本は中国から文化を習っているから、文化の違いはさほどないと思っていました。しかし、実際に現地の人々と交流し、中国で生活してみて、日本と異なる部分がほとんどでとても驚きました。一方で、日本と似ている部分もあり、日本とは異なる部分と日本と似ている部分をはっきりと感じることができました。
まず、驚いたのは食事です。私ははじめ、日本で食べる中華料理を想像していました。しかし、中国の料理は油物が多く、香辛料が入っていて、料理一つ一つの味が強かったです。本場の中華料理と日本の中華料理にとても違いがあったので、勉強になりました。また、私は、中国のお米を食べたときびっくりしました。粒は長細く、味は独特で、日本とは全く別物でした。私は歴史の勉強で、日本の稲作は中国から伝わったと学んだので、違っていても少しくらいだと思っていました。レストランの回転テーブルに並べられた料理は、日本とは見た目も香りも違ったので、正直戸惑いましたが、反対に新鮮な気持ちにもなりました。さらに、日本ではあまり食べない鳥の頭やザリガニがとても美味しく、胸が高鳴りました。一方で、ホームステイ先の朝ご飯は、餃子やピザ、エッグタルトなどで、日本の味にとても似ていたので、中国にいる気がしませんでした。ホームステイ先の方が「これも食べて」「おなかいっぱいになった?」など気にかけてくださって、とても嬉しかったです。
また、ホームステイ先で、夜にスーパーやショッピングセンターに連れて行ってもらったときには「なんでも好きなものカゴに入れて」と言ってくださったり、ぬいぐるみやアイスを買ってくださったり、とても歓迎をしてくださいました。スーパーの帰りには、家までバイクに乗せてもらい、車では見えなかった中国の景色が見えて、不思議な気持ちでした。また、私たちが日本語を喋っていると、日本語に興味を持ってくださったみたいで、何回も動画をとっていました。中でも「かわいい」という言葉を気に入ってくださって、私たちがもらった髪飾りをつけると、何度も「かわいい」と言ってくださいました。私は、日本語で「かわいい」と言ってくださったのがとても嬉しかったし、国境を超えてつながれたと感じ、心が豊かになりました。
周恩来記念館では、周恩来さんの銅像がいくつもあって、中国でとても尊敬されている方なんだと感じました。資料館には、周恩来さんと岡崎嘉平太さんが握手をしている写真があり、私たちがここに来られたのは、この方々の深いつながりがあったからなんだと思い、感動しました。また、周恩来故こ居きょの中には、岡崎嘉平太さんが植えた桜があり、中国も日本を想ってくれていると感じ、嬉しい気持ちになりました。
歓迎会を開いてくださったときは、「熱烈歓迎」と大きな文字があり、中国の方々の歓迎の気持ちが嬉しかったです。私たちが、出し物で桃太郎の劇をしたときには、中国の方々が、私たちの大げさな動きを見て笑ってくれていたので、伝わったのだと思い、たまらなく嬉しかったです。
驚いたのは、トイレです。一番印象に残っているトイレは、下が溝で前から後ろがつながっていて、ドアがなく、仕切りがあるだけのものです。私は、中国はすべて最先端というイメージがあったけれど、整備が進んでおらず、日本よりも古いトイレもあることが分かり、思っていたことも、実際に行ってみないと分からないなと思いました。
この研修を通して、ニュースや授業などで知った知識だけで「〇〇だろうな」と、自分で思っているだけで終わらせないことが大切だと学びました。知っただけで終わらせずに「実際はどうなのか」という気持ちを持って行動し、動き出さなかったら見ることができなかった、隠されたものを見ていきたいと思います。また、中国と日本は政治の面ではうまくいっていないのかもしれないけれど、それで今回できたつながりを疑わずに、一生大事にしていきたいです。
そして、今回とても貴重な体験ができたのは、岡崎嘉平太さんと周恩来さんが、お互いを思いやってできたつながりがあったからなので、このことを忘れず、感謝し、これからは、私が中国と日本を少しでもつなぐことができるよう、思いやって生きていきます。