子育て 自ら学び、未来を切り拓く!子どもたちの探究学習

安芸高田市では、2023年4月から未来チャレンジ探究学習(PBL)に取り組み、小学3年生以上が「一人一探究」に挑戦しています。「一人一探究」を市全体で行うことは広島県内で唯一の取り組み。
その成果を発表する場として、1月15日(水)に「未来チャレンジ探究学習」発表会を開催しました。
・未来チャレンジ探究学習(PBL)とは?
子ども主体で学びを深める探究型学習です。先生はサポート役に徹し、子どもたちは自分の興味・関心を追究しながら、「やりたいこと」を見つけ、学ぶ楽しさを実感します。この学びを通じて、課題解決力・創造力・コミュニケーション力など、未来に生かせる力を育みます。

■探究学習の流れ
美土里小学校6年 伊藤 潤芭さんの探究学習と共に紹介

◆1.課題の発見
○課題の設定
テーマ:保育所の子どもたちが喜ぶおもちゃを作る。
仮説:みんなで遊べるおもちゃとして、おままごとが適しているのではないか。
理由:おままごとは、男の子も女の子も一緒に楽しめるから。

◆2.課題について調べ分析する
○情報の収集
保育所の先生や園児にアンケートを行い、どんなおもちゃが喜ばれるのかを調査。

◆3.解決策を見出し実行する
○整理・分析
調査結果を基に、おままごとセットに「組み立てたり作ったりできる要素」を加えることに決定。
・みんなで料理を楽しめる「システムキッチン」を作る。
・「切れる野菜」を作り、パズルのような楽しさを取り入れる。

◆4.結果をまとめる
○まとめ表現
おもちゃを実際に使ってもらったところ、子どもたちから「いっぱい料理ができて楽しかった!」「一緒に遊べてうれしかった!」という声が上がった。また、「切れる野菜」を追加したことで、子どもたちは楽しみながらさまざまな料理を作って遊んでいた。
さらに、小さい子と一緒に遊ぶことで、おもちゃがより楽しいものになることを実感。
一方で、おもちゃの大きさは年齢や遊ぶ人数によって変える必要があることにも気付いた。

◆困った時に「助けを求める力」を身に付けることができました
おもちゃ作りが大変なとき、「手伝ってほしい」「どうやって作ればいい?」と自分から周りに相談できるようになりました。困ったときには、保育園の先生にも自らお願いするなど、自分から行動する力を身に付けることができました。

■子どもたちの探究の成果を大公開!
今年の発表会での子どもたちの探究の成果を紹介します。来年以降も継続する予定なので、ぜひ子どもたちの学びに注目し、来年は会場で応援してくださいね!

◆テーマ 足が速くなるにはどうしたらいいか
向原小学校5年 佐賀 虹花さん
課題の設定:足の速い人に勝ちたい、自分の記録を伸ばしたいと思ったから。
情報の収集/整理・分析:クラスメイトと陸上教室の先生に協力してもらい、タイムや走り方を比較・分析。
まとめ表現:前足に体重を乗せてキックし、左右にぶれず、つま先を下げずに走り、腰を高く保つとスムーズに加速できる。何度も練習を重ねた結果、50mのタイムが9.6秒から8.9秒に短縮した。
学んだこと:足を速くするポイントは分かったが、意識して実践するのは難しい。だからこそ、何度も練習を繰り返すことが大切だと学んだ。

◆テーマ チョコレートのミルクとビターではどちらが落ち着くか
八千代小学校5年 上岡 真桜さん
課題の設定:チョコが好きで、「チョコは落ち着く」と聞いたことがあり、疲れている人が身近なものでリラックスできる方法を知りたかったから。
情報の収集/整理・分析:ビターとミルクどちらがリラックスできるか、どちらが好きか同級生にアンケートを取った。
まとめ表現:アンケートの結果、どちらも半数以上の人がミルクチョコレートを選んだ。
学んだこと:ミルクチョコレートの方が、多くの人にとってリラックス効果が高いと考えられる。

◆テーマ どうすれば絵が上手になるだろうか
愛郷小学校6年 村上 彩音さん
課題の設定:将来の夢はイラストレーター。絵を上達させるために、長時間集中する力とうまく描く力を身に付けたい。
情報の収集/整理・分析/まとめ表現:自由に描いた絵は30分、好きなキャラの模写は1時間集中できた。好きな絵を描くと集中しやすいと分かった。毎日継続して描いてみると、1週間後、髪や顔のバランスが改善。
同じ絵を描き続けると上達する。
学んだこと:模写や継続練習が効果的と分かった。好きな絵だけでなく、さまざまなジャンルで検証が必要。

◆テーマ どうすれば完璧なネギ(早く育つネギ)を作れるのか?
高宮中学校2年 桑田旬さん
課題の設定:農業に興味を持ち、自分でもネギを育ててみたいと考えたため。
情報の収集/整理・分析/まとめ表現:土の量を変える実験では、土が少ない方がネギがよく育った。栽培環境を変える実験では、生育に変化はなかった。
学んだこと:ネギの生育には土の量と水分の行き渡りやすさが影響する可能性があり、さらなる検証が必要。適温(春~夏)での実験が重要であり、事前にネギの特性や栽培条件を十分に調査する必要がある。

◆テーマ 紫外線による人体への影響
甲田中学校3年 秋岡 彩葵さん
課題の設定:日焼けすることが多く、体にどんな影響があるのか気になったため。
情報の収集:紫外線の種類(UV-A・UV-B)の影響や、紫外線が強い国での対策を調べた。化粧品メーカーや皮膚科に質問した。
まとめ表現:長袖を着る・日焼け止めを塗る・帽子をかぶるなどで対策をする。紫外線はビタミンDを生成し、骨の健康を保つ役割がある。
学んだこと:紫外線は肌に悪影響を与えるが、適切に浴びることが重要である。探究を通して、専門家からの意見を取り入れ、インターネットだけでは得られない深い知識を得ることができた。

問合せ:学校教育課
【電話・お太助フォン】42-5628