- 発行日 :
- 自治体名 : 山口県下関市
- 広報紙名 : 市報しものせき 令和7年1月号
●なぜ下関に?
市長 いい機会なので杉村さんにお聞きしたかったんですが。杉村さんが唐戸でやろうと言ってくれた時に「なんで杉村太蔵が下関にやってくるんだ?」と聞いてくる人がたくさんいたわけですよ。なぜ下関を選んでくれたんですか。
杉村 なぜ下関なんだという質問を、僕はもう昨年だけで2万回ぐらい聞いたんじゃないかな。
(一同 爆笑)
杉村 もちろん下関を選んだ理由がありますが、その前に、僕が下関の皆さんにお伝えしたいのは、多くの方がその質問の背景に「なんでうちなんか…」みたいな、そんな言い方なんですよ。もっと他にいい場所があったのでは?みたいな、ちょっとネガティブな出発点から私への質問だったんです。
市長 うん。うん。
杉村 おそらく博多とかだったら、そういう質問はこなかったと思うんです。僕が下関の市民の皆さんにお伝えしたいのは「なんちゅうことを言ってるんですか?」てことなんです。素晴らしいですよ、下関は。関門海峡とか、歴史とかね。食べ物もおいしいし。政府も、地方創生は「食と観光だ」と言っていますし、これらが全部そろっているのが下関ですから。
市長 そうなんですよ。
杉村 下関の皆さんは、下関の魅力を分かってないと思うんですよ。僕は、まず、そういったマインドを払拭したい。これは本当に大きな誤解なので。まだまだこれから伸びるエリアだし、僕は、第一に、下関がすてきだからやって来たんです。もうちょっと自分たちのポテンシャルを信じていただきたいなというのが、まず最初に申し上げたい点。それから、私の地元が北海道の旭川なので、対極的な場所を探していたということです。
市長 なるほど。
杉村 今年の大きな夢は、横丁の出店者を旭川はれて屋台村(以下「屋台村」)※に持っていきたいと思っています。そして、屋台村の出店者を横丁に連れて来たい。こういった地域間交流を、からまちの皆さんと力を合わせて実現したいと。この地域間交流は、これからの地方創生にとって重要なテーマだと思います。異国と言ったら語弊がありますが、唐戸の皆さんからすると、おそらく旭川は台湾や韓国よりも異国だと思います。(笑)
市長 へぇー。
杉村 なんせ冬はマイナス30度。夏は30度。半年で60度の温度差があって。道路が50キロ、一つも曲がることなく、真っすぐなんですよ。
市長 おぉー。
杉村 旭川は、下関の皆さんからすると異国だし、同時に旭川の人間からすると、これだけ歴史のある街っていうのは自分たちの文化や価値観を大きく変えてくれると思うし、人づくりという観点からも、そういう地域間交流をしたいということで、いくつか私が候補として選定していた中に下関があったんです。最終的な決め手としては、唐戸の皆さんが一番熱心に話を聞いてくれた。市長もすぐに会ってくれて。採算性が合うか合わないかも大事なんだけど、やっぱりこういう事業は、「やりたいか、やりたくないか」。ここが大きいと思います。
市長 ありがとうございます。いやー、もう下関市民が非常に勇気付けられるコメントを頂きました。ちなみに私は、「下関なんかに」とは全く思っていませんよ。
杉村 いやいや、そうです。市長は、そうですよ!
市長 うそうそ。今のは笑うところ。(笑)都会の方が、商売をする上では有利な要素が多いと思いますが、やっぱり自分のポリシーとか、夢とか、いろいろなものを持ち合わせて下関を選んでくれた杉村さんに、僕は本当に感謝をしているし、横丁を起爆剤にして唐戸が元気になってほしいなって、すごく思っています。あとは横丁のお店の人たちが、一期一会で、来店したお客さんを1回の勝負で、次にまた来てもらうためにどうすればいいか、思いを込めて日々お仕事に当たってほしいな、という気持ちですかね。
●わがまち商店街表彰
市長 この度、からまちさんが「地域にかがやく わがまち商店街表彰2024」を受賞されました。おめでとうございます。
寺尾 ありがとうございます。
市長 全国の商店街の中でトップ10に選ばれたんですね。
杉村 それは、すごい。
梶原 全国的に商店街というものが苦境に立たされている中で、サステイナブルな取り組みをしている商店街として評価されました。AIカメラやPOSシステムを活用した来訪者情報の分析から最適な業種業態の店舗展開を進めたり、エリアマップを搭載したアプリを開発したりして、将来にわたって活気のある商店街づくりを目指して活動をしています。杉村さんが言われたように、唐戸には伸びしろがたくさんあると思っています。それらを生かして、伸ばしていく企画をしていく中で、まちづくりの計画として日本トップレベルの計画ができている、と経済産業大臣から直接褒めていただきました。
市長 横丁が下関に来てくれて、みんなが動き出して、それを国が評価をしてくれた。今、非常に良い循環が生み出されていると感じています。それを途切らせることのないように、次々にいろいろ仕掛けていきたいなと思っています。小さなイベントでいいと思うんですよ。それを唐戸商店街がPRして、応援してあげたりとかで、いいのではないかなと思います。
寺尾 せっかく地域連携協定を組んでいるので、そういったイベントもしっかり協力してやっていきたいと思っています。