くらし 新春座談会 特別ゲスト杉村太蔵氏を迎えて、唐戸について熱く語る(1)

■今、唐戸が面白い。
□杉村 太蔵
株式会社 ここはれて 代表取締役社長
元衆議院議員

□寺尾 文彦
一般社団法人からまち 代表理事

□梶原 康弘
赤間本通り商店街振興組合 理事長
一般社団法人からまち 副代表理事

□野村 泰三
東部自治連合会 会長
一般社団法人からまち 理事

□前田 晋太郎
下関市長

市長 皆さん、明けましておめでとうございます。令和7年の新春を健やかにお迎えのこととお喜び申し上げます。本日は、タレントそして実業家の杉村太蔵さんをお迎えして、唐戸の今とこれからについて、お話を伺いたいと思っています。唐戸エリアには、カモンワーフ、唐戸市場があり、そして、いよいよ今秋には星野リゾートの「リゾナーレ下関」が完成します。海響館もリニューアルして新しいアシカの繁殖展示施設ができます。これから唐戸をどう盛り上げていくか、ということを今日の話題の中心にしたいと思います。

●唐戸はれて横丁
市長 唐戸はれて横丁(以下「横丁」)が昨年スタートしました。物価高など、さまざまなハードルがありましたが、開業にこぎ着けていただき改めて感謝を申し上げます。まだまだ課題はあると思いますが、スタートして1年がたつ今、どのように受け止めていますか?
杉村 私は率直に「やってよかった」と本当に思います。ただ、当然のことながら、課題もあります。こういった事業は、農業と似ていて、今は種を植えた段階です。北海道のアスパラは、植えてから収穫を迎えるまで2、3年かかります。まちづくりは、人づくりであって、人づくりには時間がかかる。2、3年かけて完成形を目指したいと思っています。そのために、もっとできることはないかというようなことを、今日は議論させていただければと思います。
市長 横丁の開業がニュースなどで取り上げられて話題になりましたが、そのまま登り続けてほしいと思う一方で、そんなに簡単でもないだろうと思っていました。人を育てるには時間が必要ですから、腰を据えてしっかりと育てていってほしいと思いますし、我々も応援していかなくてはならないと思います。もっと盛り上がっていくように、今日はいいアイデアが生まれる一日にしたいですね。

●からまち
市長 横丁の開業準備と時期を同じくして立ち上げたまちづくり組織が、一般社団法人からまち(以下「からまち」)でしたね。
寺尾 唐戸の商店街は、施設の老朽化や郊外型の大型ショッピングモールなどとの競合など、いろいろな時代の流れの中で解散の危機に直面していました。そこから覚悟を決めて、複数ある組織を一つにまとめていくことにしました。唐戸を次世代につなぐという思いで、みんなで作った会社が「からまち」です。
市長 当時、横丁がやってくるという中で、従来の唐戸商店街とどうつなぐか、唐戸の人たちとどうつなぐか、つなぎの役割を意識したと思うのですが、実際立ち上げてみてどうですか?
梶原 立ち上げて良かったと思っています。街の思いが一つになりました。そして、行政への発信ができたり、民間主導で何かやる時にまとまりができたり。唐戸の街も変わらなければ…というタイミングでしたし、杉村さんに後押しをしていただいた感じです。そろそろ手を入れていかないといけないと思っていた古い建物が建ち並ぶエリアを、一気に壊して、テコ入れしていただきました。横丁として生まれ変わって、亀山八幡宮の足元がきれいになりました。いいスタートの1年になったと思っています。
市長 皆さんが台頭されて、唐戸は若返りましたね。杉村さんにも来ていただいて、皆さんの気持ちも盛り上がって、いい感じの流れが生まれていると思うんですよね。野村さんは、市内の自治連合会長の中でも最若手で登場したんですよね。あれは何年前でしたか?
野村 10年前ですね。確かに一番若かったのですが、唐戸で生まれ育った者として思いを引き継ぎ、前会長に幼い頃から抱っこされて育つ中で自分たちの世代がやるしかないな、という雰囲気がありました。最初に商店街の会長をやって、その後に自治連合会長をやって。10年前からすると、ようやく今、少しずつ先が見通せるようになったところです。
市長 そうですね。ぜひ、85歳ぐらいまでやってください。(笑)
野村 生きていれば、ですね。
市長 ぜひ下関の最長記録を作ってください。