子育て しもまちキラリ

■インターハイ山口県高校生活動推進委員会
今年の全国高等学校総合体育大会(インターハイ)は中国地方が舞台。下関でも熱戦が繰り広げられました。その舞台を支えたのは、地元・下関の高校生たちでした。

●競技場にあった もう一つの青春
▽出会いときっかけ
7月23日~8月20日の日程で開催された今年のインターハイ。下関でも卓球と新体操の競技が行われました。広報活動、大会運営のサポートや会場の整備、大会情報の発信などを担ったのは県高校生活動推進委員会の26人です。そのうち11人は下関の高校生たち。それぞれの思いを胸に、自発的に参加しました。
下関南高3年の田邉愛衣さんは、けがで選手として思い通りにはなりませんでしたが、「選手の思いを知っているからこそ、力になれることがあるのでは」と参加。副委員長を務めた同じく下関南高3年の松谷倖那さんは、「全国から多くの方が来られるチャンスなので、食べ物がおいしくて、自然豊かな山口県の魅力を発信したいと思いました」。
こうして下関南高5人、豊浦高3人、下関商高3人ほか県内の高校生が集まり、令和6年5月から推進委員会はスタートしました。

▽縁の下で輝く使命
開催までの準備は多忙を極めました。SNSでの広報、ティッシュやグッズのデザイン、地域交流と機運醸成を目的とした会場周辺の清掃活動や門松づくりなど、活動は多岐にわたりました。
委員長を務めた下関南高3年の友村和佳さんは、山口県の観光や競技の見どころを分かりやすく伝えるための動画制作にも挑戦。「秋吉台や湯田温泉など、実際に足を運び、どう発信すれば魅力が伝わるか考えました」。SNSで、試合の見どころや結果を発信。柳井商工高のバドミントン10連覇の瞬間は5万5千人が視聴。卓球団体で野田学園の優勝シーンにも6千件のアクセスがありました。
田邉さんは開会式で歓迎の言葉を担当。数百人の前に立つ経験は「大きな自信になった」と振り返ります。

▽青春と感謝
「頑張る選手を支えることで、自分たちも成長できた」。そう口をそろえる推進委員たち。学校が違う仲間との連絡調整、相手の立場で考える工夫。どれも貴重な学びになりました。
将来への思いも広がります。田邉さんは「『支える』ことも達成感がありました」と笑顔。将来は高校の体育教員を目指しています。国際系学部への進学を志望する松谷さんは、「今回の経験を生かして、下関や日本の魅力を世界に発信したい」と力を込めます。豊浦高3年の國次咲乃さんは、商品開発の仕事が夢。今回もインターハイのTシャツのデザインを担当しました。大人気で、早々に完売したそうです。
「選手と同じように、私たちも本気で挑んだインターハイでした。支えてくれた多くの方への感謝を胸に、今後も学んだことを生かしていきたい」と友村さん。「支える」側から見える景色と感謝の気持ちを胸に、それぞれの未来にまなざしを向けています。

・「各種イベントで広報活動に努めました」と委員長の友村さん。
・各種スポーツイベント等で、ティッシュを配り広報活動。「小さな子には目線を合わせて声を掛けるなど、相手に合わせた声掛けの大切さを実感しました」と下関南高3年の早田愛加里さん。
・ラジオにも出演。多くの方にインターハイを知ってもらう広報活動も推進委員会の仕事だ。
・「インターハイ開催期間中は、会場周辺に多くの人が訪れるため地域住民にご迷惑をお掛けすることもあるかもしれないので、清掃活動、地域活動などの地域貢献も心掛けました」と副委員長の松谷さん。