- 発行日 :
- 自治体名 : 山口県岩国市
- 広報紙名 : 広報いわくに 令和7年3月1日号
■ドライアイ
ドライアイという病気を聞いたことがある人は多いと思います。単なる目の乾燥だろうと思われる人も多いですが、意外にも目の乾燥は不快感が強く、日々のQOL(生活の質)を低下させる要因となります。では、なぜドライアイが起きるのでしょうか。
涙の成分は油分と水分に分けられ、さらにその中にはムチンと呼ばれるタンパク質が入っています(下図参照)。ドライアイの原因によって、障害される部分が異なるため、その原因に応じて治療方法を変更する必要があります。点眼薬を使用しているのに、うまく効果が現れない人などは、次のポイントを意識すると良いかもしれません。
例えば環境要因(空気の乾燥など)として、冬の乾燥する時期や、夏でもエアコンの風が直接当たるような環境では目が乾燥してしまいます。そういった場合は、エアコンの風が直接当たらないようにしたり、加湿器を設置して湿度をコントロールしたりすることが大事になります。理想は湿度計が付いている加湿器などを使って、冬でも約40~50%に湿度をコントロールできると良いです。
涙の分泌量が少なくなる場合や、コンタクトレンズ使用者に多いドライアイは、涙の成分を点眼することで改善が得られます。また涙の性質が劣化することで生じるドライアイでは、涙の性質を改善する点眼薬などがあります。
それ以外にも、まぶたにあるマイボーム腺の目詰まりが原因で起きるドライアイなどもあり、その場合はまぶたのマッサージや温罨(おんあん)法(目の周りを温めること)、ステロイドと抗菌薬の点眼などが奏効します。
年齢やホルモンバランスの変化とともに涙の分泌量などが減ることで、人間は次第にドライアイ傾向になると言われています。
少しでも不快感の少ない目で過ごせるように、ドライアイのケアを意識してみましょう。
〔岩国市医師会〕
※詳細は、本紙をご覧ください。