くらし 栽培漁業センターだより

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■~栽培漁業によるアカウニ資源の増大を目指して~
今年度から、新たにアカウニ種苗の中間育成をスタートしました。
この小さくて可愛いアカウニ種苗は、福岡県にある、ふくおか豊かな海づくり協会から運ばれてきました。個数は約28,000個、大きさはまだ10mmほどですが、ここから数カ月かけて、少しずつ大きく育て、海に放流する予定です。
アカウニは、日本近海に生息するウニの一種で、赤いトゲが特徴です。岩のすき間や砂利の中に隠れて生活し、岩についている藻などを食べて育ちます。10月から11月が産卵の時期で、私たちが「雲丹(うに)」として食べているオレンジ色の部分は、アカウニの生殖腺です。アカウニ種苗の育成にはひと工夫があります。飼育かごの中には「付着板」という板を設置し、アカウニ種苗がくっついて落ち着ける場所を作っています。また、付着板を設置することで、総面積を増やし、アカウニ同士の接触を減らし、ストレスの少ない快適な環境づくりを心がけています。餌には乾燥ワカメを使用しています。この乾燥ワカメは、餌の際にそのまま飼育かごへ入れ、海水によって自然に戻るのを利用して与えています。
この中間育成は、アカウニ種苗がある程度大きさになるまで育ててから、海に放流し、資源を増大させるという栽培漁業の一環です。小さなうちに放流すると、生き残る確率が低くなってしまうため、ある程度まで育てて海に帰すことで、より多くのアカウニが成長し、やがて水産資源として活用されるようになります。
これからも私たちは身近な海を大切にし、豊かな海にするために、栽培漁業の取り組みを行ってまいります。(柏原)

問合せ:(公社)山口県光・熊毛地区栽培漁業協会
【電話】62-6030【FAX】62-6033