くらし 第76回 故郷を知る!!

■日本遺産 藍のふるさと阿波~日本中を染め上げた至高の青を訪ねて~
▽満開の桜が咲き誇る江川鴨島公園
明治40(1907)年代からの吉野川改修工事のため堤防が完成し、吉野川が江川に流れ込まなくなり広大な中州が出現した。大正2(1913)年に藍商の家出身の実業家、筒井嘉太郎が中心となった鴨島公園保勝会が発足し、町有志の寄付や労力提供により旧川原の荒地が整理され、松、桜などが多数植えられ、鴨島公園は造成された。園内に療養温泉施設も造られた。
戦後、鴨島町の財政難により、やむを得ず公園敷地を売却することになったが、昭和22(1947)年12月に牛島村上浦出身の丸善石油(株)(現コスモ石油(株))創業者、松村善蔵の寄付により、売却済みの土地を買い戻すことができ、公園として永久に保存することとなった。その後、平成5(1993)年に東四国国体が開催されるのを機に再整備が行われ、現在に至っている。
藍蔵を模した建築物、鴨島公民館の東側には、松村善蔵がかつて建立し戦争で供出され、後に再建された鴨島出身の大僧正、泉智等の銅像のほか、大藍商人の北カネマン、川真田徳三郎の石碑が建立されている。