くらし じんけん探訪(112)

8月の『同和問題啓発強調月間』では、全国的に、テレビCMの放送や講演会の開催などの啓発活動が行われます。
同和問題に関する差別は、現在も次のような事象が発生しています。
・インターネットの匿名性を悪用した差別的書き込み
・就職や結婚時の身元調査による戸籍謄本や住民票の不正取得
・不動産業者が取り引きの際に行う土地調査 など

■身元調査の現状とは
2020年に実施された県政世論調査の「結婚や就職で身元調査を行うことをどう思いますか」という問いに対して、「必要だ」「やむを得ない」が53%、「必要ない」が28%という結果でした。依然として、身元調査を容認する風潮の強さがうかがえます。
身元調査は、『香川県部落差別事象の発生の防止に関する条例』で禁止されています。身元調査のように、本人に関係ないことや努力で解決できないことをあぶり出す調査は差別です。より効果のある教育や啓発の推進が急がれる状況にあるといえます。

■なぜ身元調査をするのか
結婚して家庭を持つ際には、相手の素行や性格、職業や収入などは知っておくべきかもしれませんが、親は、我が子から漏れ聞こえてくる程度の認識で良いのではないでしょうか。探偵を雇ったり、聞き合わせに赴いたりする必要まであるのでしょうか。
日本国憲法第24条では、「婚姻は、両性の合意のみに基づいて成立し…」となっています。2人の意思が最優先であり、そこに『家』は必要とされません。
旧民法が廃止されて80年近く経つ現在でも、その悪(あ)しき古い習慣や固定観念が『社会通念』として認識されているために、『家』にこだわり、『釣り合い』が気になり、身元調査を必要としているのだと考えます。改めて誤った慣習を無くしていく必要性を痛感します。

■人権・同和問題 講演会(要予約)
日時:8月21日(木)午後2時~3時30分(受付…午後1時)
場所:市民交流センター
※駐車場は、ゆめタウン三豊をご利用ください。
講師:部落解放同盟 兵庫県連合会 書記次長(事務長) 北川 真児(しんじ) 先生
演題:「いま あらためて部落問題を考える~インターネット上の事象を中心に~」
※手話・要約筆記を行います。
定員:250人
※先着順
申し込み:QRコードからまたは人権課へ電話
※QRコードは本紙参照

申し込み・問い合わせ:人権課
【電話】73-3008

■全国一斉『こどもの人権相談』強化週間
「大丈夫 いつでもきかせて 君の声」
強化週間中は、平日の電話相談時間を延長し、休日も電話相談を実施します。
より多くの子どもたちの「声」を拾い上げられるように、LINEまたはGIGAスクール端末を活用した相談にも応じます。
期間:8月27日(水)~9月2日(火)
時間:午前8時30分~午後7時
※土日は、午前10時~午後5時
電話番号:こどもの人権110番【電話】0120-007-110
LINE:友だち検索で「@linejinkensoudan」またはQRコードから
※QRコードは本紙参照
相談員:人権擁護委員、高松法務局職員

問い合わせ:高松法務局
【電話】087-821-7850