子育て 子どもの健康相談室

■百日咳〜ハイリスクの赤ちゃんを守りましょう〜
小豆島中央病院小児科 山本真由美先生

全国的に百日咳の流行がみられています。
百日咳は、百日咳菌という菌による感染症です。風邪と同じような症状で始まり、次第に咳が激しくなります。顔を真っ赤にしてコンコンと激しく発作性に咳き込み、最後にヒューと音を立てて息を吸う典型的な症状がみられます。生後 6か月未満の赤ちゃんが感染すると、まれに咳が目立たないことがあったり、急に呼吸が止まる無呼吸発作を起こしたり、肺炎や脳症を合併することがあります。また、ワクチンを接種している子どもや成人では、典型的な症状より長引く咳としてみられることが多いとされています。
診断のためには、症状とともに鼻や喉のぬぐい液や血液検査を行いますが、結果が出るまでに数日かかります。最近は全国的な流行のため検査試薬が間に合わない状況になっています。抗菌薬によって治療を行います。
予防のためにはワクチンが大切で、生後2か月から五種混合ワクチンが接種されます。特に重症化しやすい生後6か月未満の赤ちゃんを守るために、早めに接種を開始しましょう。
小学生以上の子どもたちや成人の間で流行がみられることから、日本小児科学会が推奨する予防接種スケジュールでは、就学前に追加接種として三種混合ワクチン、11〜12歳頃に受ける二種混合ワクチンの代わりに再度、三種混合ワクチンの接種を推奨しています(どちらも任意接種のため有料)。また、生後すぐの赤ちゃんを守るために、妊婦への三種混合ワクチンの接種も検討できます。
現在は三種混合ワクチンの供給が一時的に停止されています。赤ちゃんを百日咳などの感染症から守るために、風邪症状のある方は赤ちゃんへの接触を必要最低限にする、マスクや手洗いをするなどの配慮をしましょう。