くらし しまなみ海道通行料実質無料化に向けて(1)

20年前、12の地域が1つになった今治市。「脱・衰退」を掲げる市にとって、しまなみ地域の輝きは不可欠です。しまなみ海道の通行料金は、平成26年4月1日より国の方針に基づき全国の高速道路と同じ基準となる料金制度が導入され、ETC車に限り、令和16年3月末まで料金水準が引き下げられる特別措置が適用されていますが、「もっと気軽に渡れたら」「無料になったらうれしい」という声も聞かれます。今回は市が目指す“実質無料化”とは何か、そしてその実現に向けた具体的な取り組みについて紹介します。

■しまなみ海道通行料実質無料化って?
しまなみ海道は島しょ部の暮らしを支える道路です。通院や通学、買い物など、日常生活を送るうえで欠かせない移動経路として利用されており、多くの方が定期的に陸地部と島しょ部を往復しています。しかし、そのたびにかかる通行料は大きな負担となっています。
今治市が目指す「しまなみ海道通行料実質無料化」とは、こうした通行にかかる費用負担を軽減し、島しょ部で暮らす方々の安心で豊かな生活を支えるための取り組みです。
具体的には、大島・伯方島・大三島の3つの島に暮らす皆さんが、しまなみ海道を利用しなくても、できるだけ島内で日常生活が完結できるような環境整備を進めるとともに、利用する必要がある場合には、その通行料を市が支援するなどして「実質的に無料」となる状態を目指します。

◆島しょ部の方のしまなみ海道利用状況
目的別利用割合、平均利用回数(自家用車、商用車を対象)
[目的3分類]
◎生活 63.0%
週2~3回程度利用
・買い物…46.3%
・娯楽…23.0%
・通院…17.0%
◎通勤 25.7%
週4回程度利用
◎業務 11.3%
週2回程度利用

◆目的別の行き先(自家用車、商用車を対象)

生活目的で多く利用し、行先は圧倒的に今治市が多い

◆島民(約8,700世帯/15,000人)の通行料金
◇全目的
世帯あたり月14,000円(年16万8,000円)程度
全体では年間14.7億円程度
・島しょ部内への移動…年間2.9億円程度
・四国陸地部への移動…年間9.6億円程度

◇生活目的
世帯あたり月9,000円(年10万6,000円)程度
全体では年間9.2億円程度
(令和4年度ETCカード番号を活用した交通動向調査およびしまなみ暮らし支援アンケートより)