健康 市民医学講座 NO.246

■こどもの咳と喘息(気管支喘息)
今治市医師会 松浦健治
咳は小児科外来では日常的な主訴(しゅそ)です。その咳の原因のほとんどは「かぜ(感冒、上気道炎など)」によるもので、次に多いのが喘息(気管支喘息)です。しかし、両者の咳を見分けることは不可能です。なぜなら、「かぜ」と「喘息」は合併することがよくあるからです。小児科医はこの喘息というワードをおいそれと使いません。そのため「気管が弱い」あるいは、「喘息の気がある」といった表現をよく使用します。
気管支喘息とは口や鼻から肺へつながる気道にアレルギー性の炎症を起こし、気道が狭くなることで咳がひどくなったり、呼吸が苦しくなったりする病気です。喘息は遺伝、個人の体質や環境要因(ウイルス、アレルゲン、タバコの煙、大気汚染など)が組み合わさって発症します。
検査にはおもに血液検査(アレルギー検査)、呼気中一酸化窒素濃度測定(FeNO)、呼吸機能検査などがあります。小学校高学年以上であれば検査は可能ですが、低学年未満では血液検査以外の検査は非常に難しいです。また、こどもの喘息は喘鳴(ぜんめい)(ゴロゴロ、ゼーゼー)を伴わないことも多いため問診が非常に重要になります。喘息の咳の特徴は咳症状が長引いたり、咳が良くなったり悪くなったりを繰り返したり、日中・昼間に咳はあまり出ず寝入りばなや朝方に多いなどです。しかし、問診や症状、さらには検査でも喘息とはっきり診断できないこともよくあります。そういった咳の場合には、喘息の治療を行ってみて、その治療に対する反応から喘息と診断することもあります。
一昔前の小児喘息は重症度が高く死亡率も高い病気でした。しかし、2000年代に入りステロイド吸入が小児喘息の標準的な治療になると重症患者さんが一気に減り、現在では喘息で亡くなる児はほとんどいなくなりました。今でも小児喘息の標準的な治療は抗アレルギー剤の内服、そしてステロイド吸入(幼小児ではネブライザーやスペーサーを使用)の二本柱となっています。これらにより症状のコントロールがしやすくなりました。
長引く咳があるようならまずはかかりつけの小児科医に相談することをお勧めします。

※このコーナーの記事は今治市医師会広報委員会のご協力によるものです。