文化 新居浜の産業遺産物語

■物語(10)
第一通洞(つうどう)(南口)

第一通洞は、銅山越(標高1294m)を挟んで別子側の東延と新居浜側の角石原(かどいしはら)を結ぶ全長1021mの鉱山用トンネルです。標高約1100mにある水平運搬用坑道で、鉄軌道(レール)が敷かれ、牛車や人車(トロッコ)で物資を運搬しました。
第一通洞の開削は、代々坑(だいだいこう)という水抜き坑道を利用して明治15(1882)年に着手されました。広瀬宰平が他の鉱山に先駆けてダイナマイトを使用し、明治19年に開通しました。明治35年の第三通洞貫通で東平が採鉱の中心となり、明治44年に上部鉄道が廃止されるまで主要な運搬坑道でした。
第一通洞(南口)の坑口は石造りのアーチ型で、往時の姿を現在に伝えています。古写真は明治31年に撮影された「別子鉱山写真帳」に収められている1枚です。
現在、広瀬歴史記念館では、特別企画展「明治最盛期の別子銅山を活写した光村利藻〜明治三十一年写真帳の世界〜」を開催していますので、ぜひご来館ください(12月14日まで)。
※詳細は本紙をご覧ください。

問合せ:
別子銅山文化遺産課【電話】65-1236
広瀬歴史記念館【電話】40-6333