子育て (特集)世界へはばたけ!ALTと学ぶ英語の授業(1)
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- 発行日 :
- 自治体名 : 愛媛県大洲市
- 広報紙名 : 広報おおず 2025年7月号
■大洲市の外国語教育推進事業
大洲市では、グローバルに活躍する人材を育成するため、さまざまな施策を実施しています。その中の一つ「外国語指導助手招致事業」では、昨年度からALTを増員し、現在10人体制で各担当校を訪れ、大洲市の児童生徒に英語を教えています。小学校でも3年生以上の外国語の授業や活動にALTが参加し、発音や会話に慣れ親しませる英語教育を進めています。
生の英語に触れ、楽しみながら自分の考えや気持ちなどを英語で伝え合うことにより、児童生徒の英語力の向上のみならず、コミュニケーション能力の向上を目指しています。
■ALTとは?
ALTとは、Assistant Language Teacherの略で外国語指導助手のことです。日本人の外国語担当教員の助手として外国語の授業に携わり、主に市内の小中学校で、先生と協力して英語の活動や授業のサポートを行います。
■ALT配置の目的
日本や他国の言語・文化を理解し、臆することなく外国語(英語)によるコミュニケーションが取れる児童生徒の育成を目的としています。
ALTが身近にいることで、学校生活において児童生徒が英語を使ってあいさつや日常会話を行う機会が増え、グローバル社会へ向け積極的に外国語(英語)を話せるようになる力を養っていきます。
■小学校での授業のようす
〇発音練習。舌の使い方のお手本
〇自己紹介「My name is …」
〇リズムに合わせて単語やフレーズを繰り返す学習法「チャンツ」でウォーミングアップ。楽しく自然に英語の発音やイントネーション、リズム感を身につけることができます。
〇チャンツからの決めポーズ
〇「Do you like …?」
(※詳しくは、本紙をご覧ください)
◇ALTと触れ合うことで児童に何か変化はありましたか?
〇平小学校 辻 尚方(なおかた)先生
ALTがいることで、子供たちの英語を学ぶことへのモチベーションが上がり、外国人がいて当たり前の環境に慣れるので外国人とのコミュニケーション意欲が向上します。
授業ではネイティブの発音が聞けるので、英語を聞き分けることができる「英語耳」になり、発音も良くなります。日本人には難しいアルファベットの「B」と「V」の発音の違いを子供たちが聞き取れるようになるのです。
3年生から週1回の授業が始まります。4年生までは簡単な単語を覚えながら英語に親しみ、5年生からは英語を聞いたり、しゃべったりしながら理解していきます。中学校の外国語科にスムーズにつながるようしっかり学んでいきます。
〇平小学校6年生
ジャクソン先生との授業はとっても楽しくて45分間があっという間に過ぎます。生の英語で分かりやすく教えてくれるので、英語での自己紹介など少しずつ英会話ができるようになることが楽しいです。
■中学校での授業のようす
〇大洲北中学校(1)
授業の始まりに大きな声であいさつ
「Good morning everyone! How are you today?」
〇大洲北中学校(2)
クイズタイム
〇大洲北中学校(3)
グループに分かれてみんなで答えを導き出します
〇長浜中学校(1)
ALTの出身地ニュージーランドの文化クイズに答えます
〇長浜中学校(2)
宿題として生徒自身が作った英文でALTに自己紹介
(※詳しくは、本紙をご覧ください)
◇ALTの先生が配置されていい点は何ですか?
〇大洲北中学校 齊藤遼佑(りょうすけ)先生
ALTとの授業では、自分がサポートに入ることもありますが、基本的にALTが英語だけで進めていきます。ネイティブの発音を生で聞くことができるので生徒にとっては大変貴重な経験です。中学校では文法の勉強も大切にしつつ、ゲームも取り入れながら楽しく学べるように工夫しています。
ALTと触れ合う機会が増えたことで、生徒たちが積極的に英語を使う姿を見られるようになりました。
〇大洲北中学校1年生
ジョンティ先生の授業は初めてでしたが、英語のクイズをしながら先生のことをたくさん知ることができました。これから生の英語にたくさん触れていきたいです。
■こども園にも行ってます
令和6年度からは、市内のこども園や保育所にもALTが訪問しています。遊びを通して簡単なあいさつや歌などを楽しく学びます。最初は恥ずかしそうにしていた子供たちも、すぐに慣れて瞳をキラキラさせながら、英語のじゃんけんやゲームなど楽しいひとときを過ごしました。最後には「またきてね~」と先生との別れを惜しんでいました。
〇輪っかの色を当てるゲーム。みんな積極的に手を挙げます。
〇英語の歌で単語を学びます「Head(ヘッド)shoulders(ショルダーズ)knees(ニーズ)and(アンド)toes(トゥーズ)♪」
〇英語でじゃんけん「Rock(ロック)、Paper(ペーパー)、Scissors(シザーズ)、Shoot(シュート)!」
〇じゃんけん列車ゲーム
(※詳しくは、本紙をご覧ください)
英語の授業を取材に行くと、子供たちの生き生きとした表情がありました。授業を楽しく感じることが、英語で話したいという気持ちを生み、学習意欲の向上につながっていくのではないでしょうか。
国が掲げる「第4期教育振興基本計画」(R5~R9)では、中学校卒業段階でCEFR A1レベル(英検3級)相当以上を達成した中学生の割合6割以上を目標としています。
大洲東中学校では、令和6年度に愛媛県のAIアプリ活用実証事業に参加しました。AIアプリを使った授業を実践しており、会話練習量の増加や言語活動の充実のため、教師やALTによる指導とAI活用を組み合わせた先進的な取組も始まっています。
今後、大洲市の英語教育を受けた子供たちが続々と世界に進出し、日本の未来を担う人材に育っていくことを期待しています。