- 発行日 :
- 自治体名 : 愛媛県上島町
- 広報紙名 : 広報かみじま 2025年7月号
■第14回 若山牧水顕彰全国大会〜しまなみ・ゆめしま大会〜
主催:若山牧水しまなみ顕彰会
後援:上島町・上島町教育委員会
みなと交流センター(今治市)および上島町岩城郷土館において、5月18日(日)に「第14回若山牧水顕彰全国大会〜しまなみ・ゆめしま大会〜」が開催されました。
午前の部は、伊藤一彦氏(若山牧水記念文学館館長)と、大森静佳氏(歌人)、土岐友浩氏(歌人)、佐藤文香氏(俳人)、山口遼也氏(俳人)の5名の講師陣によるシンポジウムが行われました。1部では「牧水第6歌集『みなかみ』をとことん論じる〜定型と韻律をめぐって〜」、2部では「短詩形の過去と未来〜牧水・山頭火・放哉から考える〜」と題して、パネリストによる議論が行われました。
若山牧水の第6歌集『みなかみ』は、牧水が大正2年5月18日から5日間、岩城島の三浦邸(現在の岩城郷土館)で滞在した際に編集され、それを補佐したのが三浦家18代当主である三浦敏夫氏でした。この時期の牧水は、宮崎県にある実家の家業を継ぐのか、歌人の道を進むのかを悩んでいたこともあり、その苦しみが『みなかみ』の歌に反映されていました。伊藤氏は『みなかみ』を、短歌の先駆け的・冒険的な歌集であると評価し、パネリストは牧水の他の歌集に掲載された歌とを比較しながら、『みなかみ』の持つ特徴について議論を深めました。
午後の部は岩城島クルージングが実施され、参加者は岩城の島歩きツアーと、岩城郷土館の見学を行いました。また、郷土館中庭にある三浦敏夫氏が建立した牧水夫妻の歌碑を囲んで献酒を行い、参加者全員で牧水と敏夫氏に思いを馳せました。