- 発行日 :
- 自治体名 : 愛媛県上島町
- 広報紙名 : 広報かみじま 2025年7月号
■岩城島の医療を支え続けた献身的な医師の軌跡
◇島の医療を支えた献身的な医療活動
昭和64年、岩城島民の熱い要請を受けて岩城へき地診療所に赴任以来、37年にわたり島の医療を支え続けてこられた福井先生。熊本大学医学部出身の放射線科専門医でありながら、過疎・高齢化が進む離島において地域医療の礎を築くとともに、医療過疎地の離島を選ばれた決断は真の医療人としての使命感の表れでした。
◇医療基盤の確立と貢献
平成5年に岩城へき地診療所を民営化して岩城診療所を開設。限られた環境の中で医療設備の充実とスタッフ確保に尽力し、島民が安心して診療を受けられる体制を構築されました。
小児から高齢者まで、昼夜を問わず診療に携わり、島民からの厚い信頼と尊敬を得て地域での学校医としての活動や介護認定審査など、医療の枠を超えて保健・福祉の分野でも多大な貢献をされました。
さらに令和2年からの新型コロナウイルス感染症の流行時には、ワクチン接種をはじめとする迅速な対応で島民の健康を守り、最前線で地域医療を支え続けられた姿勢は、多くの人々の心に深く刻まれています。
平成16年に岩城村社会福祉功労者表彰受賞。平成20年第37回読売新聞社都道府県医療功労賞受賞。平成26年上島町功労表彰受賞。そして、令和5年には離島振興70周年を記念した国土交通大臣表彰を受賞され、その功績が広く認められました。地域医療に献身された福井先生は、離島医療の模範として多くの医療従事者に勇気と指針を与え続けてくださいました。
謹んで哀悼の意を表し、心よりご冥福をお祈り申し上げます。