くらし 住人十色 第189回

■「雛に行けば、みんながいる」――心でつながる和太鼓仲間が節目の20周年
和太鼓サークル「雛太鼓(ひなだいこ)」の皆さん

今年で結成20周年を迎えた和太鼓サークル「雛太鼓」。年4回ほどある演奏会では、代表曲『雛太鼓』『おまつり』などの迫力ある演奏で観客を沸かせています。
メンバーは約20人で8割を女性が占めます。太鼓を叩きたくて仕方ない人、町で誘われた人、親と一緒に来た子どもなど、集まった経緯はさまざま。未経験者が多いグループですが、メンバーは「みんな褒め上手。うまくいかなくても『できてるじゃん』『若いんだから大丈夫』と乗せられて。演奏会に出ない、という選択肢はない」と笑います。宮内純子(じゅんこ)さんは「入った2カ月後にいきなり、結成10周年記念公演『内鼓座(うちこざ)雛まつり』の大舞台に。今思えばえらいこと」と振り返ります。
「頑張り過ぎず、まずは太鼓を楽しむ場所でありたい」と話すのは、結成当初からのメンバーの多比良雅美(まさみ)さん。「仕事や結婚、出産、育児――叩けないときはみんなある。ここは休むのも戻るのも自由で、みんな家族のように温かい。私も赤ちゃんを連れてきたとき、みんながベビーカーを押してくれたな」と懐かしみます。仲間たちが「心の住処」と呼ぶ雛太鼓について、多比良さんは「子雛、孫雛まで続いたらいいですね」とほほ笑みました。