- 発行日 :
- 自治体名 : 愛媛県伊方町
- 広報紙名 : 広報いかた 2025年4月号
■「佐田岬半島と高橋新吉」
今から102年前、『ダダイスト新吉の詩』が出版されました。この「新吉」=「高橋新吉」は伊方町出身の詩人です。
高橋新吉は明治34(1901)年に小中浦に生まれました。大正7(1918)年八幡浜商業学校(現八幡浜高等学校)の卒業直前に退学して上京。病気のため帰郷し療養していた大正9(1920)年に新聞『万朝報(よろずちょうほう)』のダダイズム(これまでの秩序や常識に対する否定、攻撃、破壊を大きな特徴とする考え方)に関する記事を読み、強烈な衝撃を受けました。その後、ダダイズムの詩や小説を発表、ダダイストとして知られるようになりました。そして、大正12(1923)年には『ダダイスト新吉の詩』を刊行し、当時の詩壇に大きな衝撃を与え、高く評価されます。『山羊の歌』や『在りし日の歌』で知られる詩人・中原中也も高橋新吉に大きく影響を受けたといわれています。
晩年は、八幡浜市万松寺で聴いた足利紫山老師の「無関門」をきっかけに禅の世界へと傾倒しました。振幅の激しい破天荒な生涯の中で、独自の詩の世界を展開した哲学的詩人でした。
写真1(本紙参照)
明治100年記念公園(湊浦)には高橋新吉の詩碑がある。
高橋新吉は佐田岬半島を「象の鼻」に例えた。