くらし 知事コラム 濵田省司の一筆啓上

全国に先駆けた取り組みによる持続可能な地域社会の実現
少子高齢化が全国に先駆けて進行する高知県。最近知事室で打ち合わせをする案件も、人口減少下での経営難や担い手不足に悩む公共サービスのあり方を巡るものが多くなりました。
昨年は出生数の激減と産婦人科医の急減に伴い、県内の分娩施設の規模縮小や休止が相次ぎ、医師会の方々などとともに今後の周産期医療体制のあり方の議論が進められました。県中央部の路線バスや路面電車などの公共交通も、運転手の不足で路線の縮小や減便が相次いでいます。現在県内で15の消防本部が分立している常備消防組織も県域全体での一本化により間接部門を効率化し現場力を確保しようという議論が始まっています。
このような場合に、公共サービスの規模や内容を一律にカットするのではなく、例えば「空気を運んでいる」といわれるような無駄な部分を省いて、時代の変化も踏まえたうえで、本当に大事な部分に重点化していく。県民の皆さんや関係者の理解を得てこうした改革を進めることは大変な難事業ですが、効率的で持続可能な公共サービスと社会の実現に向けて「賢く縮む」、いわゆる「スマート・シュリンク」の試みはさまざまな分野で不可避となっていると感じます。
人口減少の先進県である高知県だからこそ、こうした局面で「全国初」「日本一」の取り組みを目指して挑戦し、全国に向けて発信していきたいと考えています。