くらし 豊富で透明度の高い地下水を利用したブランド米「土佐岩戸米」
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- 発行日 :
- 自治体名 : 高知県土佐市
- 広報紙名 : 広報土佐 令和7年4月号
私たちは、土佐岩戸米営農組合に所属し、清らかで豊富な地下水、肥沃な土壌に恵まれた土佐市岩戸地区および近隣の地区で水稲を生産する農家の集まりです。
川の水ではなく、地下水で栽培した『コシヒカリ』は、以前から『岩戸のお米はおいしい』と評判が良かった。さらに減農薬で栽培することで付加価値をつけ、ブランド化を図ってきた。
■ひとつ一つの工程を丁寧に。それが美味しいお米に繋がる。
平成17年、もともと美味しいお米作りにプライドと自信を持っていた岩戸のお米農家がひとつになり、特別栽培にこだわり、「土佐岩戸米」としてグループで販売を始め、今年で20年。当初800袋だった市場への流通量も今年は2100袋に増加した。価値を高めるためのブランド化への第一歩として、米・食味分析鑑定コンクール国際大会に挑戦するもはじめは上手くいかず、何年も受賞できず足踏み状態だった。しかし、周りからアドバイスをもらい研究し、常に新しいことにも挑戦し続け、水の管理や乾燥の仕方にも工夫を凝らし、平成28年にやっと、早場米部門での金賞受賞を果たした。
現在の組合員は26名。生産者の高齢化も進み、継承が課題だが、米作りは地域づくりにも繋がる。米作りの中で草刈りや清掃など、水路や農道の維持管理が日常的に行われているからこそ、地域の美しい景観は保たれている。
生産者は減っても、生産面積は減らさないという思いで作っている。
土佐岩戸米営農組合長 植村正人さん
※「特別栽培」とは…
節減対象農薬と化学肥料の両方を規定量減らして作物を栽培すること。特別栽培農産物と表示するには、農産物の生産地域ごとに定められた基準値に対して、節減対象農薬の使用回数、化学肥料に含まれる窒素成分がともに50%以下でなくてはなりません。
■「特別なことは何もしていない。教えてもらって、その通りにしているだけ。」と語る上村さんと川澤さん。
お二人は土佐岩戸米営農組合に所属しています。組合員は、営農組合が主催する栽培技術研修会を通じ、水稲の栽培技術の習得と栽培情報を共有するとともに、組合員相互が切磋琢磨し、高品質・良食味米の生産を目指した栽培技術の向上に取り組まれています。
■「米・食味分析鑑定コンクール:国際大会」とは?
米・食味分析鑑定コンクール:国際大会は、米・食味鑑定士協会が主催している“お米のコンクール”です。
お米の検査といえば「等級検査」のみが主流であった2000年当時、お米の食味にこだわり、衰退しつつあった「地方・農業・稲作の復興」を後押しするべく始まりました。
タンパクや水分量などを機械で数値化し、審査員が食べて順位を決める大会で、今年は上村良誠さんの田んぼで収穫された土佐岩戸米が、1位である金賞を受賞し、さらに2位である特別優秀賞を川澤一裕さんが受賞されました。これでブランド米「土佐岩戸米」が、早場米部門で5年連続金賞・特別優秀賞受賞を達成しました。
第1回大会は400検体に満たない出品数での始まりでしたが、今や総出品数は5,000検体近くになり、数多くの自治体との共催によって、世界最大規模のお米のコンクールへと成長し、第10回からは国際大会となりました。コンクール受賞者のお米は、国内はもとより海外でも高い評価を得ており、土佐岩戸米営農組合の方々も、今後は県代表や総合部門での入賞を目指したい、と目標にしています。