くらし こちら、あんぱん室! vol.12(2)

■第5回 やなせ先生とゆかりのある方々のご紹介
今回は、香北町にお住まいの漫画家・紙芝居作家の岡本篤志さんです!岡本さんは平成20年3月まで、香北町役場・香美市役所の職員でした。

Q:やなせ先生とのご関係を教えてください!
A:やなせ先生は憧れの存在でした。今から40年近く前、高知市での香北町の大PRイベントを、香北町青年団で企画した時のことです。高知市中心地の商業ビルの一部を無料で貸してくれることになりました。ビルの5階に広いフロアがあり、そこに人を呼び込むことが無料で使用できる条件だったので、団員で良い企画を考えていた中、もともと地元出身の先生に興味があった私は、「先生の絵本原画を展示したい」と提案したところ、団員の皆が賛成してくれたので、先生に電話をしました。すると先生は二つ返事でOKをしてくれて、出版社から原画を送っていただき、イベントでは多くの人に先生の作品を見ていただきました。実はその時にお借りした原画は、当時はまだアニメ化されていませんでしたがアンパンマンの絵本原画でした。私はもったいなく感じて、高知市での展示後に香北町内でも展示し、たくさんの住民の皆さんにも見ていただきました。

Q:やなせ先生との出会いと、その第一印象はどうでしたか?
A:実際にお会いしたのは、高知市でのPRイベントの翌年です。教育委員会に異動となり、社会教育係で夏季セミナーを担当した際に、やなせ先生をお招きすることになりました。8月上旬の夏季セミナー初日、初めて先生にお会いしましたが、本当に気さくな方でした。夏季セミナーの講演は、先生がオーバーヘッドプロジェクター(OHP)の上で透明シートに即興で絵を描きながら、お話をして歌を唄うという、先生オリジナルの「O.H.Pミュージカル」でした。私は先生の足元にいて、透明シートを渡す仕事だったのですが、あまりの見事さに見とれてしまい、何度もシートを渡すことを忘れてしまいました。終了後わびる私に、当時私が町の広報誌で4コマ漫画を連載していたことを知っていた先生は、「君は漫画家だから仕方ないよ」と優しくおっしゃってくれました。

Q:やなせ先生との印象深いエピソードはありますか?
A:香北町にやなせたかし記念館アンパンマンミュージアムがオープンする2年前に、私は健康センターセレネに異動していました。ある夜、フロントに立っていると、なんとやなせ先生が訪ねて来られて、「今度、僕の記念館ができたらよろしくね」とおっしゃいました。夢のような出来事だったので信じられなかったのですが、平成7年11月に記念館を管理する財団が立ち上がると、私は異動で初代事務局長を命じられ、たいへん驚きました。その後、私が香美市の職員時代、アマチュア漫画家として活動していた時に、漫画家の先輩から日本漫画家協会に入らないかとお声がけいただきました。協会に入会するには、協会員2名の推薦が必要であったため、先生に推薦をいただけないかご相談したところ、快く推薦していただきました。私は、現在も公益財団法人の理事として記念館の運営に携わっており、不思議なご縁を感じています。

Q:連続テレビ小説「あんぱん」に向けて、一言お願いします!
A:現在(取材時)、連続テレビ小説「あんぱん」は、壮絶な戦争の場面に入っています。重苦しい場面ですが、この体験が、その後の先生の作品制作や、アンパンマン誕生にどう結びついていくのか、これからの放送が楽しみです!

岡本さんは、やなせ先生が香美市に作ってくださったキャラクターの中でも「あじさいひめ」が特に好きだそうです♪岡本さん、今回はお話しいただき本当にありがとうございました!