- 発行日 :
- 自治体名 : 福岡県福岡市
- 広報紙名 : 福岡市政だより 令和7年10月15日号
アイランドシティが、この秋「まちびらき20周年」を迎えます。豊かな自然と先進的な都市機能を併せ持つ、アイランドシティのこれまでの歩みと役割を紹介します。
東区のアイランドシティは、博多港の国際貿易港としての機能強化と、人と地球に優しい快適な住環境を目指して、香椎地区と海の中道の間の博多湾上に誕生しました。
●アイランドシティ整備事業
博多港は、もともと水深が浅く、大型船の入港が困難な港でした。そこで市は、博多港の海底を深く掘削して航路を整備し、その際に出た土砂を活用してアイランドシティの整備を行う工事を、平成6(1994)年に開始しました。
現在、全体面積401.3ヘクタールのうち、約99.8%の埋め立てが完了しています。
●2005年「まちびらき」~快適な都市空間の形成
アイランドシティには、人々が暮らす「まちづくりエリア」と、物流の港としての役割を持つ「みなとづくりエリア」の二つのエリアがあります。
平成17(2005)年9月~11月にアイランドシティ中央公園で「第22回全国都市緑化ふくおかフェア(アイランド花どんたく)」が開催されました。
12月にまちづくりエリアへの入居が始まり、市立こども病院、市総合体育館、特別養護老人ホームなど、健康・医療・福祉関連分野の施設が集まり、商業施設や宿泊施設等も増えていきました。
また、照葉小1校のみだった小学校は、平成31(2019)年に照葉北小、令和6年に照葉はばたき小が開校し、3校になっています。
●広がる交通網
平成14(2002)年に香椎パークポートからアイランドシティを経由して雁ノ巣につながる道路が開通したことで、都心部から海の中道方面への所要時間が大幅に短縮されました。
さらに、令和3年に自動車専用道路アイランドシティ線(福岡高速6号線)が開通し、広域的なネットワークが形成されています。
公共交通の面においても、天神・博多駅・千早駅方面へのバス路線の増便や、乗る人の希望に合わせてアイランドシティ内を走るオンデマンドバス「のるーと」の運行開始など、利便性が向上しています。
まちびらきから20年、アイランドシティは、現在1万6千人を超える人が生活するまちに成長しました。
■暮らしと経済を支える「みなとづくりエリア」
▽九州と世界をつなぐ博多港
博多港では、アジア・北米などを中心に、自動車、タイヤ、古紙等の再利用資材などを輸出し、家具、衣類、電気機械、麦、野菜・果物といった生活に密着したものを輸入しています。九州内で取り扱う国際コンテナ貨物の半分以上の量を、博多港が担っています。
平成15(2003)年に「みなとづくりエリア」で国際コンテナターミナルの稼働が始まりました。現在アイランドシティでは、博多港の国際コンテナ貨物の約7割を取り扱い、福岡市、そして九州に住む人たちの暮らしを支えています。
▽環境に優しく、災害に強いコンテナターミナル
アイランドシティでは、二酸化炭素の排出削減や省エネなど環境に配慮した電動式クレーン等を積極的に導入しています。
また、災害や停電等で物流がストップすることのないよう、免震化や電力確保などの取り組みが進められています。
▽青果市場「ベジフルスタジアム」
平成28(2016)年、九州の青果物流の拠点として、国際コンテナターミナル北側に旧青果市場・西部市場・東部市場を統合した「市中央卸売市場青果市場(通称・ベジフルスタジアム)」が開場しました。ベジフルスタジアムでは、定温卸売場や、食の品質を確保するコールドチェーン(冷蔵物流)機能を備え、福岡都市圏をはじめ九州一円に青果物を供給しています。
また、毎月第3土曜日午前8時~11時に「ベジフル感謝祭」を開催し、野菜・果物の直接販売や料理教室などを行っています。
◆アイランドシティに巨大キリン登場
アイランドシティには6基のコンテナクレーンがあります。こども病院に入院中の子どもたちや近隣の小学生たちの「クレーンがキリンに見える」という声も踏まえて、博多港をもっと身近に感じてもらおうと、3年前に1番手前のクレーンがキリン柄に塗られました。
