くらし 市長退任にあたって 密にして激なる、充実の5期20年

前大野城市長 井本宗司

2005年(平成17年)に市長就任して5期、市民各位や市職員、支援者の皆様に支えられた20年でした。
振り返ると様々なことが思い浮かんできますが、「光陰矢の如し」です。在任中にいただきましたご指導・ご鞭撻に対し、衷心より感謝申しあげます。
市長職には就業規則はなく、常にスタンバイをしておかなければなりません。多くの団体からのご案内には、できるかぎり現場に出向き期待に応えることが市長の務めと銘記して頑張ってまいりました。選挙で与えられた任期は4年であり、20年とはその積み重ねです。福岡県議会議員時代も含め、「日々が任期」の覚悟で、職業としての政治家像を追い求めてきました。とはいえ、市長職の一日のスケジュールは密であり、想像以上に激務でした。
就任当初は、自治体経営とは何かを自問自答しながら、職員の協力も得て「週末窓口サービス」や「総合窓口・まどかフロア」など、市役所サービスの改善に力を尽くしました。2期目以降は、「古代山城サミット」の開催や「大野城心のふるさと館」の建設など歴史資産の検証、「れいわ子ども情報センター」のリニューアルや、「ユープレ」開設など子どもたちの居場所づくり、さらには「男女共同参画条例」の施行や男女平等推進センター「アスカーラ」のリニューアルなど、多様化する社会変化に対応するための施策を進めました。また、念願の連続立体交差事業が実現をし、新たなにぎわいの拠点として、高架下空間のこれからの進捗を見ることができるのは嬉しいかぎりです。
特に、私が職員と共に取り組んできたのは、超高齢社会に向けた地域ぐるみの態勢づくりと、必ず起こるであろう大震災など災害への万全の備えです。準備を先送りすることなく、今、先行投資をしながら先手を打っておかなければ未来に禍根を残すことになるからです。
今後は、市民と職員により創り上げてきた大野城市が誇る「コミュニティによる共働のまちづくり」に一段と磨きをかけ、未知のウイルスや迫り来るAI社会へも布石を打ち続けていただくよう新市長にはお願いいたします。
市長4期目の2017年11月、大野城市は、日経BP社の「シティブランド・ランキング〜住みよい街2017〜」で、東京都武蔵野市、茨城県守谷市とともに全国1位となり、市長就任時に掲げていた「自治体仕事宣言…実力、サービスNo.1自治体」の目標に近づいたことを実感しました。迫り来る様々な難題に立ち向かう職員力と熱き市民力は健在です。財政力も県下トップクラスを維持してきました。「大野城物語」は、これからもさらに充実・発展を見せてくれると確信しています。
ここに改めまして、ご協力いただきました市民の皆様、また日々切磋琢磨した市議会はじめ市関連機関の皆様に萬謝の思いを伝え、退任にあたってのあいさつといたします。長きにわたってのご支援、誠にありがとうございました。

■井本市政 20年の歩み
2005年9月 井本市長就任(第4代大野城市長)
11月 ねんりんピックふくおか2005ペタンク競技大会開催
2006年2月 大野城跡、日本百名城に認定
4月 大野城市男女共同参画条例施行
2007年10月 「第27回緑の都市賞」内閣総理大臣賞を受賞
11月 「コミュニティのまち大野城」総務大臣賞を受賞
「週末窓口サービス」開始
2008年5月 総合窓口「まどかフロア」オープン
2009年2月 牛頸須恵器窯跡、国史跡に指定
4月 高齢者移動支援「ふれあい号」運行開始(南地区)
2010年9月 古代山城サミット(日本最古の山城まつり)開催
「大野城」のキャラクターが「大野ジョー」と「タスケ」に決定
2012年4月 市制施行40周年
大利アンダーパス開通
10月 人間空気イスでギネス世界記録TM達成

◇人間空気イス1311人達成
2012年10月、市制40周年を記念し、人間空気イス「人間空気イス」ギネス世界記録(TM)に挑戦。
10歳から84歳までの1311人の参加者が、息を合わせ、見事に1回で成功。
シンガポールの記録(1058人)を抜きました。

2013年4月 男女平等推進センター「アスカーラ」リニューアルオープン
11月 乙金多目的広場オープン
2014年8月 水城・大野城・基肄城1350年記念式典
11月 水城跡フェスタ開催・水城ゆめ広場オープン
2015年3月 飯塚大野城線・現人橋乙金線開通
12月 水道事業給水開始50周年記念式典
2016年8月 人口10万人突破
2017年4月 水城跡、続日本100名城に選定
11月 日経BP社「シティブランド・ランキング〜住みよい街2017〜」全国1位
2018年7月 大野城心のふるさと館オープン
2019年4月 善一田古墳公園完成
7月 「れいわ子ども情報センター」リニューアルオープン
11月 生誕30周年を迎え「まどかちゃん」リニューアル
2020年2月 新型コロナウイルス感染拡大
2021年1月 青少年の居場所「ユープレ」オープン
2月 ゼロカーボンシティ大野城宣言
2022年4月 市制施行50周年
6月 ワンヘルスの推進に関する宣言
8月 西鉄大牟田線 連続立体交差事業開通(下大利〜雑餉隈駅間)
2024年7月 第30回世界少年野球大会福岡大会、大野城市をメイン会場として開催
2025年4月 福岡県初の「女子野球タウン」に認定