くらし 手と手をつないでNo.391

山本(やまもと)信哉(しんや)
(元小学校教諭)

■心のものさし(2)〜人の値うち〜
この詩は作者江口いとさん自身の体験をもとにつづられています。被差別部落出身という理由で、自分のお子さん、お孫さんまで差別されるという現実に、いとさんは憤り、差別と闘いました。その差別に対する思いを詩に表現し、差別解消に向けて幾度となく講演をしてきました。その心の叫びがこの詩「人の値うち」の中にあふれています。
詩「人の値うち」は、「人びとはいつの日 このあやまちに気づくであろうか」という言葉で結ばれています。皆さんはどう思われますか。
この詩が発表されてから数十年が経っています。このあやまちを過去のことにできたのでしょうか。
・人を着る物で判断すること
・話す人の肩書きや学歴によって講演の良し悪しを決めること
・人の価値を生まれた所によって決めること
私たちそれぞれが持つ「心のものさし」は、生まれた所によって人の値うちを決めていないでしょうか。
福岡県と太宰府市でも、毎年7月を「同和問題啓発強調月間」として、差別をなくす取り組みを行っています(本紙P10)。この機会に、この社会で生きる一人として差別の問題を考えたいですね。

※江口いとさんの詩は本紙P.18をご覧ください。