くらし 正しく知ろう外来種のこと

環境問題の一つとしてしばしば取り上げられる「外来種」。
外来種とはどのような生物なのか、なぜ問題になっているのでしょうか。

■外来種とは?
元々その地域にいなかったものが私たち人間によって他の地域や海外から持ち込まれてきた生物のことです。外来種は外国の生物と認識されがちですが、国内の生物も外来種になることがあります。
日本に生息する外国起源の生物の数は分かっているだけでも約2,000種にもなると言われていて、中には農作物や家畜・ペットのように、私たちの生活に欠かせない生物もたくさんいます。
↓外来種の中でも…
生態系、人の生命・身体、農林水産業へ被害を及ぼすもの、または及ぼす恐れがあるものは特定外来生物に指定され、飼育・栽培・生きたままの運搬・保管・輸入・野外への放出・譲渡が禁止されています。

■福岡県内で確認されている主な特定外来生物
アカミミガメ(※)、セアカゴケグモ、アライグマ
オオクチバス(ブラックバス)、アメリカザリガニ(※)、オオキンケイギク、ウシガエル
※「条件付特定外来生物」(アカミミガメ、アメリカザリガニ)
捕獲、一般家庭での飼育、無償譲渡は許可なしで行えますが、販売を目的とした飼育や販売・頒布・購入、輸入、野外への放出などについては規制がかかります。

■外来種がもたらす問題点
外来種は繁殖力が強く、急速に生息域を拡大していきます。その結果、次のような問題が起こる恐れがあります。
1.生態系被害
競争が起こり、在来種の生息環境が奪われ数が減るなど生態系のバランスが崩れてしまう。(例…外来種が在来種を捕食する、餌を奪うなど)
2.人への被害
毒を持つ外来種に咬まれる危険や、病原体(狂犬病など)が持ち込まれる危険がある。
3.農林水産業への被害
畑が踏み荒らされたり、農作物などが食べられたりする。
※市内でもトウモロコシやスイカなどが食べられる被害が出ています。

■外来種からの被害を予防するために私たちができること
外来種予防3原則
・「入れない」
自然環境にどんな影響を及ぼすか分からない生物をむやみに入れないようにしましょう。
・「捨てない」
生物を飼育するときはその性質をよく調べ、最後まで飼育できるかどうか考えること。途中で飼養・栽培している外来種を捨てることは絶対にしないでください。
・「拡げない」
すでに野外にいる外来種を移動させたりして他の地域に拡げないようにしましょう。

外来種の問題は、みんなで取り組むべき身近な課題です。一人ひとりが意識して行動することが環境を守ることにつながります。

問合せ:環境課
【電話】092-942-1127