くらし 〔巻頭記事〕国勢調査をギュッ!と解説(1)
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- 発行日 :
- 自治体名 : 福岡県宮若市
- 広報紙名 : 広報みやわか「宮若生活」 No.236 2025年9月号
〔重要〕必ずご確認ください
◆国勢調査は、どのように行っているの?
国勢調査って、誰がどのように行っているのか気になりますよね。
実は、国勢調査は総務省統計局が中心となり、全国の市区町村の職員や、調査員として活動する地域の皆さんの協力によって実施されているんです。調査票を配布するのは、職員や実際に地域に住んでいる人。つまり、行政の力だけでなく、市民の皆さんの協力があってこそ成り立っている大規模な調査なんです。
次のページでは、その国勢調査を深掘りしていきます。
・SECTION1 国勢調査について詳しく知りたい人…P3へ
・SECTION2 調査結果がなにに使われるのか知りたい人…P4へ
・SECTION3 国勢調査の調査票の回答方法を知りたい人…P5へ
◆SECTION1 国勢調査ってなに
国勢調査とは、日本に住むすべての人と世帯を対象に、5年ごとに国(総務省統計局)が実施している最も基本的で重要な統計調査です。
◇なぜ国勢調査が必要なのか
国勢調査は、日本に住んでいるすべての人と世帯の実態を明らかにする、わが国の最も重要な統計調査です。大正9年から五年ごとに実施されていて、総務省統計局が中心となって全国一斉に行われます。
調査で得られた情報は、国や地方自治体の将来を考えるための大切な基礎資料となります。例えば、人口の増減や年齢構成を把握できるので、社会福祉、雇用、環境整備、災害対策などをはじめ、あらゆる施策の基礎データとして利用されています。また、企業が新しいお店を出す場所を決めたり、研究者が社会の変化を分析したりする時にも役立っています。
◇国勢調査は回答必須
国勢調査は『統計法』で回答が義務づけられており、すべての世帯や住民に調査票への記入・提出が求められています。ただし、これは回答義務があるから答えるというものではありません。国勢調査の結果は、地域の施設整備や福祉、防災、地方交付税の算定など、暮らしに直結する施策に活用される重要な情報です。
調査票は紙での回答のほか、オンライン回答も可能です。インターネットを利用すれば、時間や場所を選ばず簡単に回答できるため、多くの人に利用されています。もしも、回答数が不足すると、地域の実態と異なるデータとなり、行政サービスが行き届かなくなる恐れがあります。特に、子どもの数や高齢者の割合、世帯の形態などの情報は、保育園や学校の整備、福祉・介護サービス、防災体制の充実などに役立つ重要なデータです。
このように、安心で暮らしやすい地域づくりを進めるためには、正確なデータが必要で、皆さん一人ひとりの回答が不可欠です。
◇ちょこっと豆知識 ~国勢調査の知識~
・第1回国勢調査で一番多かった職業はなに?
大正9年国勢調査による職業別本業者にかかる統計によると、農業が本業者全体の51.6パーセントと圧倒的に多く、過半数を占めています。第2位は工業で19.4パーセント、第3位は商業で11.6パーセントとなっています。なお、この調査時の『農業』のカテゴリーには、農作以外に、造園、園芸、牧畜、養鶏、養蚕、林業、狩猟なども含まれます。
・初めての国勢調査の費用はいくらかかった?
調査費用の総額は297万7,000円。これを米価を基準に現在の価値に換算すると、大正10年の米1キログラムの平均的な販売価格が35銭50厘であり、先月発表の総務省の記録では1キログラム1,007.2円となっているので、現在の金額に置き換えると約84億円に相当します。なお、当時の大卒初任給が50円ほどであったと言われているので、それを基準にするならば120億円近い金額となります。