- 発行日 :
- 自治体名 : 福岡県芦屋町
- 広報紙名 : 広報あしや 令和7年8月号
■ジェンダーの平等を実現しましよう
男女平等が叫ばれて久しいですが、いまだに女性の身分が低い地域は世界各地に存在します。平成27(2015)年に国連で採択された持続可能な開発目標(SDGs)では、「ジェンダーの平等を達成し、すべての女性と女児のエンパワーメントを図る」ことが第5の目標に掲げられています。エンパワーメントとは、権限や自信を与えるといった英単語であり、抑圧されることなく個人の重要性を認めるという意味合いで使われています。この目標の中で、人身売買や性暴力の排除、児童婚や女性器切除などの有害な慣習の撤廃など、女性と女児に対するあらゆる差別を撤廃し、基本的人権を守ることが定められました。これは女性だけのために設定された目標ではありません。女性差別がある社会では経済がうまく発展しないという事実があり、ジェンダーを超えた世界共通の課題といえます。
◆世界各地で起きている主な女性差別
○未成年の早期結婚
18歳未満での結婚を「児童婚」と呼びますが、ユニセフの調査では約7億5000万人の女性が児童婚をしており、そのうち3人に1人が15歳未満で結婚しています。児童婚は、就学・就労の機会が奪われる、若年出産で死亡する、パートナーから暴力を受ける可能性があるなどさまざまなリスクを含んでいます。
○教育格差
教育環境においても女性差別は存在し、この傾向は高等教育になるほど拡大します。
例えば、世界の初等教育の就学率は男女に大きな違いはありませんが、中等教育では男子の就学率が65%なのに対し、女子は55%と差が開いています。国や地域によって教育格差が生まれる要因は異なりますが、次のような事例が挙げられます。
・慣習的に女の子に教育は必要ないと考えられている
・女子トイレがないなど教育施設の設備が不十分である
・児童婚のために中等教育以上のことは無駄だと考えられている
このほかにも、貧困により女子に教育を受けさせる余裕がない、通学経路に危険な地域があり女子を通わせられないなど、貧困や地域問題によるあらゆる背景があります。
SDGsの目標「ジェンダー平等」を達成するために、世界にある女性差別の現状や背景を知り、状況を改善するために、すべての人が協力して問題解決に向けて取り組むことが求められています。
芦屋町人権・同和教育研究協議会
問合せ:社会教育係
【電話】223-3546