くらし 【つながるコーナー94】大好きな野球で世界をつなぐために

■土山 大輝(つちやま だいき)さん(北鵜木)

高校卒業まで大刀洗町で過ごし、現在は北九州の地で奮闘する土山さん。
今回は、歴代の取材で最年少となる大学3年生の土山さんに、野球への思いや、今後の目標についてインタビューをしました。

□野球は自分の人生
野球好きな両親の影響で、私自身も幼い頃から野球が大好きでした。ですが、両親の「たくさんの経験をしてほしい」という想いから、小学3年生までは、ピアノ、水泳、陸上、剣道、バレエ、塾と、6つの習い事に励みました。小学3年生まで習い事をやりきるという両親との約束を達成し、待ちに待った野球一筋の生活がスタートしました。
少年野球ではピッチャーを任されていましたが、肘を痛めて約1年半プレーできない時期がありました。走り込みだけの地道なトレーニングは苦しかったですが、復帰後は野球の楽しさを再確認し、多方面で野球と関わりたいと考え、野球の強豪校で知られる九州共立大学へ進学しました。
現在は、野球の練習と両立しながら、食事や睡眠、練習など、アスリートが最大限に能力を発揮するための自己管理能力について学んでいます。

□日本と海外を野球でつなぎたい
今年の8月に台湾に行く機会があり、そこから海外に目を向けるようになりました。SNSなどで情報を集めていくうちに、海外ではグラウンドの整備が行き届いていない国もあると知り、国を問わず誰もが同じように野球を楽しめる環境を作りたいと考えるようになりました。現在は、野球の測定会にスタッフとして参加するなど、多くのイベントに参加しています。日本の野球を海外に伝え、海外の野球の現状を日本に伝えることで、海外との交流を深めていきたいです。

□野球を通じた社会貢献を目指して
大学で野球やスポーツについて学ぶ中で、高校野球児の髪型や教員の指導内容、体罰、ユニフォームの規定などについて疑問を抱くようになりました。そんな時、大学の先生から「日本野球学会に参加してみないか」と声をかけて頂き、参加を決めました。
学会では、高校野球で問題視されている内容について討論する予定です。
現在、いろんな方の意見を集めながらテーマを模索しているので、ぜひ、ご意見をいただけると嬉しいです。
また、大学のゼミ活動では「ギラヴァンツ北九州」というサッカーチームの「スポーツで稼ぐまちづくりとはなにか」というプロジェクトに携わっています。ファンの皆さんからチームへの想いを川柳で募集する「川柳コンテスト」の企画や、チームの応援動画を作成し、SNSで広報活動を行うなど、観客を集めて地域経済を活性化させるための活動をしています。

□離れて気づいた大刀洗町の良さ
現在、北九州で寮生活を送っていますが、町を離れて改めて感じるのは、大刀洗町の自然の豊かさや、人の温かさです。
地元の友人たちと集まると、給食の話題でよく盛り上がります。給食調理員の方が学校で調理した出来たての給食を食べたことや、ランチルームに全学年が集まり、給食を食べながら他学年と交流したことは、大刀洗町だからこそ出来た経験で、今でも印象に残っています。また、通学路で農家の方々とコミュニケーションをとることで食材に対する感謝の気持ちも強くなり、食事の時間が大切なものとなりました。

□おわりに
野球が出来る環境を整えてくれて、いつも応援してくれる両親には、感謝の気持ちでいっぱいです。多くの方々の支えがあって、今日まで野球を続けることができています。
将来は、大好きな大刀洗町で、身体を動かす楽しさをもっとたくさんの人に知ってもらえるような活動がしたいと考えています。スポーツを好きな人がさらに増え、健康で活気があふれるまちづくりに貢献したいです。