- 発行日 :
- 自治体名 : 福岡県広川町
- 広報紙名 : 広報ひろかわ (令和7年4月1日号)
■保護犬・保護猫活動の団体代表者・主催者にインタビュー
筑後市一(一社) リアン代表 川野和美さん
○活動を始めたきっかけ
最初は、個人で外にいるかわいそうな猫をできる範囲で保護・譲渡していました。しかし相談が増え、個人ではお金も時間も限界があり、仲間たちと団体を発足しました。
○保護猫活動の内容
大きく5つに区分けされます。
(1)保護・レスキュー
飼い主のいない「命の危険がある猫」や保健所に収容された「命の期限が決まってしまった猫」をシェルターで保護しています。現在約120頭の猫を治療・人馴れトレーニングをし、ボランティアのみんなでお世話しています。
(2)譲渡活動
治療やトレーニングを終えた猫は新しい家族を探します。リアンでは、譲渡会を毎月2~4回開催(または参加)しています。
(3)地域猫活動
過剰繁殖した猫の不妊手術をサポートしています。過剰繁殖することで、地域の嫌われものになったり虐待の対象になったりします。人間のため、そして何より猫のために、手術による繁殖の抑制や病気予防は大切です。
(4)啓発活動
リアンで関わった保護猫と地域猫の写真展を開催しています。保護ストーリーを載せることで、猫たちの過酷な現状や命を大切にすることの重要さを伝えています。
(5)チャリティーグッズ販売
寄付や支援では足りない猫の医療費を賄うため、グッズを作成・販売しています。
○現状の課題
寄付や相談者からの支援で、なんとか保護シェルターを維持していますが、場所・備品・医療費すべてを自分たちで調達しています。相談は毎日あるのに、時間もお金も人員も足りていません。
保護団体が無償で保護してくれると思っている人がおり、初期医療費の協力をお願いすると「保護団体は保護するのが仕事だろ!」と激昂されることもあります。保護団体は命を救いたくて無償で頑張っている「一般人」だということを多くの人が知らないことが課題です。
○今後の展望
保護シェルターを子どもたちの居場所として拡充できたら良いと考えています。ボランティアに来てくれる学生さんも増えましたが、課外授業や教育の一環としてもっと関われるとうれしいです。
命を大切にする教育は本当に大事だと思います。保護猫と触れ合うことで自殺やいじめが減り、生きがいややりがいになって、人生が明るくなれば最高です!
○最後に
この活動をする仲間たちが「やってきてよかったね」と、報われることが目標です。
合同譲渡会andチャリティーマルシェ 「with you」 主宰 小宮明子さん
○活動を始めたきっかけ
捨て犬・捨て猫問題や殺処分問題などの悲惨な現状を知り「自分にも何かできることがあるのでは?」と考え、活動を始めました。
○現状の課題
保護しても保護しても、収容される犬猫が減らないのが現状です。保護される犬猫をゼロにしない限り、殺処分はゼロになりません。まず、根本である「飼う人の意識」を変えていく必要があります。犬や猫は物じゃありません。最後まで面倒を見る覚悟を持って飼ってください。
飼い犬より飼い主が先に亡くなってしまうケースも少なくありません。飼い主の年齢も考えて、飼う犬の年齢も考える必要があります。また、病気などで自分がお世話できなくなってしまったことまで想定し、その後を託せる人を探しておく必要もあります。
○活動内容
希望者にアンケートを書いてもらい、後日自宅に伺い環境などを見させてもらいます。その後、トライアルという形で何日か一緒に生活してもらい、環境が適しているか様子を見ます。すでにペットを飼っている場合は、先住のペットとの相性も大切です。
○最後に
一緒に活動してくれるボランティアさんを募集中です!
■合同譲渡会andチャリティーマルシェ
日時:4/6(日)・5/11(日)、11:00~15:00(雨天の場合4/12(土)・5/17(土)に延期)
場所:恋ぼたる(筑後市)
※最新情報や詳細は右のQRコードから。
※QRコードは本紙参照。
問合せ:小宮
【電話】090-7929-7567
■名もない猫の一生
私は、檻の中で生活している「名もない」猫です。かつては名前も家もありましたが、主人に捨てられひとりぼっちに。毎日必死に生きていたところ、保健所の人に保護されました。食べ物や外敵に困ることはなくなりましたが、ここには「期限」があるようです。それは、私の命の期限。
人間の都合で、毎年たくさんの仲間が殺されています。令和4年は、犬が2434頭、猫が9472頭。これでも、以前と比べるとだいぶ減りました。平成25年には、12万8241頭もの仲間が殺されていたのですから。
そして、どうやら今日がその期限のようです。すごく怖いですが、もう決まってしまったみたい。私たちは、人間のように話すことはできませんが、同じように感情があります。
私たちは主人を選べません。神様、次に生まれ変わるときは最後まで私を愛してくれる主人のもとに……。
■誰も知らない、保健所職員「心の叫び」
飼い主に捨てられた犬や猫と同じくらい、心を痛めている人たちがいるのを知っていますか?それは、殺処分を行わなければならない、保健所の職員です。
以下の文章は、大分県の保健所で実際に犬の殺処分を行っていた職員さんが書いた、当時の心境と飼い主へのメッセージです。