- 発行日 :
- 自治体名 : 福岡県広川町
- 広報紙名 : 広報ひろかわ (令和7年4月1日号)
町長が町議会3月定例会で町政運営の基本的な考え方や主要な取り組みなどを説明しました。
その一部をご紹介します。(全文は町ホームページに掲載)
■「職・住・育プラス遊」近接型によるまちづくり
私が就任当初から掲げているまちづくりのビジョンは、「職・住・育プラス遊」近接型によるまちづくりです。
まずは、多くの人が安定した収入を得られる、雇用や仕事に関する環境を整え、幅広い世代が暮らしやすい住環境を整備し、未来を担う子どもが育つ環境づくりを進めます。くわえて、少しの「遊び心」をまちづくりに取り入れ、人々が幸せを感じられる暮らし、「ウェルビーイング」のまちづくりを進めます。
広川町第5次総合計画が掲げる将来像「世代を超えて住み心地の良い、温もりと笑顔あふれるまち」の実現に向け、全力で取り組む覚悟です。
○現状認識
全国で去年1年間に生まれた子どもの数は、速報値で72万人余りと、統計を取り始めて以降、最も少なくなったと発表されました。従来の国の想定より15年も早く73万人を下回り、想定外の速さで進む少子化は、私たちの社会が持続可能であるために、最大限の努力をもって解決すべき問題であると思っています。
本町における出生数も、昨年はやや上昇したものの、コロナ禍前の水準には戻っていません。その要因には、若い世代の経済的な不安や、婚姻数の減少をはじめ、地方から都市部への人口流出が続いていることなど、さまざまな要因が絡み合って生じています。地方だけで解決できる問題ではなく、国と地方が連携して、総合的に取り組むべき問題であると考えています。
昨年12月、石破政権は過去の地方創生の反省を踏まえ、誰もが安心して住み続けられる地方の構築に取り組むべく「地方創生2・0」を起動させる表明をしました。
「地方創生2・0」の基本的な考え方に「当面は人口が減少するという事態を正面から受け止める」とあります。これは、地方創生に対するこれまでの国の姿勢とは異なり、地方の現実に目を向けようとするものであり、大きな転換であると受け止めています。さらに、ポテンシャルがまだまだ眠っている、地域の経済・社会、これらを支える人材の力を最大限に引き出す政策を強化することで、人口規模が縮小しても経済成長し、社会を機能させる適応策を講じていくと示していることは、本町にとっても大きな追い風になりえます。
これらの現状認識を踏まえ、令和7年度においても、町を取り巻く社会情勢の変化や、新たな国の動きを敏感に捉えつつ、直面する課題に果敢に挑戦し、着実な町政運営を図っていきます。
■令和7年は人材育成元年
人材育成には2つの意図があります。1つは「未来の地域社会の担い手を育てる人材育成」、もう1つは「行政運営の担い手である町職員の人材育成」です。
○(1)地域社会の担い手育成
人間は誰もが歳をとり、誰かの手助けを必要とする時が来ます。10年後、20年後、地域で医療や介護を担う人材がいない、農業や商工業を担う人材がいないという状況は、想像するだけで恐ろしいことです。そのような未来にならないよう、子どもたちに地域社会の担い手であることを認識してもらう必要があります。そのために「こどもまんなかプロジェクト」を強力に推進し、幼少期から未来の地域社会の担い手として育成していく必要があります。
地域づくりは人づくりでもあります。人づくりは、まず子どもたちが充実した生活を送ることから始まります。成長した後、一定数が町に残り、同世代でコミュニティを作る。進学や就職で町を出た人たちも、結婚や出産などのタイミングで広川町に残る同世代のコミュニティに導かれて、再び合流するように地域社会の担い手となっていく。そして次の世代が生まれると、また最初に戻り、その子どもたちが青年期まで充実した生活を送る、というサイクルを、世代を超えて何回もまわし続けることが必要です。
こどもまんなかプロジェクトは、このサイクルがまわり出すための最初の一押しであり、次のステップがまわりだして、サイクル全体がまわり出すまで、途切れなく施策を展開していくことが求められます。これは非常に困難な道のりではありますが、国が提唱する「地方創生2・0」の基本的な考え方と同じものであり、国が予算的にも人員的にも強力に進めようとする姿勢とも連動し、本年からしっかり取り組んでいきます。
○(2)町職員の人材育成
まもなく、今後の羅針盤となる「広川町人材育成基本方針」が完成します。昨年、若手から管理職まで、全職員を集めたワークショップなどを開催し、目指すべき組織や職員像とは何かについて、議論を重ねました。そこで出された意見などを基盤に、理想の職員像や各職位ごとに身につけるべき知識や態度などを明らかにしました。
「広川町人材育成基本方針」には、職員の採用や能力開発、人事評価などの原則が示されており、今後はこの基本方針に基づき、具体的な取り組みを展開していきます。これらは、私が目指す「チームで仕事をする組織づくり」に向けた職場風土改革の一環でもありますが、目指すべきところは、町民の皆さんに貢献できる人材の育成です。
人材育成には10年単位の長い時間がかかります。すぐに成果が出るものではないため、取り組み続けるには勇気が必要です。しかし、何もしないままでは「ありたい未来」を実現することはできません。10年後、20年後のありたい未来を実現するために、今何をすべきかを逆算して考え、勇気を持って行動していきます。
■町制施行70周年の節目にあたり
令和7年は、広川町の町制施行70周年の節目の年です。多くの町民の皆さんと、記念すべき節目の年を祝いたいと思っていますが、それと同時に、次の80周年、90周年、さらにその先の100年を見据え、次の世代に、この町を引き継ぐ責務がある認識を深く刻む必要があります。
私はこれからも、これまでの町民の皆さん、今を生きる町民の皆さん、そして未来の町民の皆さんのために、難しい課題にも強い気持ちで挑戦したいと考えています。新しいまちづくりのために、皆さまのお力添え賜りますよう、今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。
■広川町第5次総合計画とは?
これからどんなまちを目指し、どのようにまちづくりを進めていくのか、その指針となるのが「総合計画」です。
本計画は、R6~R13度の8年間の計画で、「基本構想」「基本計画」「実施計画」から構成されます。
町民の皆さまとともに計画を進めるため、昨年、概要版を各世帯に配布しました。総合計画に基づき実施する具体的な事業計画(実施計画)は、町ホームページに掲載しています。
問い合わせ先:企画課企画係
【電話】0943-32-1196