健康 熱中症にならないために~プロが教える予防・対処法~

今年も暑い夏がやってきました。町が連携協定を結ぶ大塚製薬工場の九州ブロック長・益田泰治(ますだたいじ)さんと北九州エリア担当・宮地幸太郎(みやちこうたろう)さんに、町民の皆さんへ熱中症対策・対処のアドバイスをもらいました。
(聞き手:野添華(のぞえはな)・町保険健康課健康づくり係長)

■早めのエアコンと水分補給を!
▽香春町での熱中症対策のポイントは。
宮地さん:内陸部で気温が高い上、高齢化率も高く、熱中症のリスクが高い地域といえます。高齢者は加齢による感覚のズレに注意が必要です。例えば、若者に比べて暑さやのどの渇きを感じにくくなっていますので、早め早めの水分補給やエアコン使用を心がけていただきたいです。
また、年齢に関係なく、「立ちくらみ」や「大量に汗が出る」といった症状は「熱中症になりかけている」のではなく、「すでに熱中症」だと認識することも必要です。体の異常を感じたら無理をせず、水・塩分を補給して、ゆっくり休養をとるようにしてください。

■健康教室でも助言
▽協定を締結して1年。振り返られて、いかがですか。
益田さん:当社が連携協定を結んだのは、香春町が全国5か所目、九州初です。野添さんをはじめ、町役場の皆さんの「町民を守りたい」という思いの熱さに共感し、昨年7月に締結しました。
香春町では、イベント時に注意を呼びかけるチラシを配ったり、経口補水液を提供したりするほか、健康教室で当社社員が講師を度々務めており、密な関わりができています。

▽いつも講師を務めてくださる宮地さんに、講話を重ねる中でお気づきのことを伺いたいです。
宮地さん:参加する町民の皆さんが熱心で、終わった後に質問に来られることもあります。しっかり聞いていただけて、伝える側もうれしいです。昨年度訪ねた公民館に今年も行った時、「経口補水液を備蓄するようにしたよ」と教えていただくこともあります。
健康教室での講師は私だけではなく、町役場から保健師の野添さんと管理栄養士の梅うめばやし林優ゆい依さんも来られます。健康づくりに役立つ情報を幅広く届けられるような、充実した教室になっています。

▽宮地さんに参加していただく健康教室は昨年度に17回実施し、今年度は約20回を開催する計画です。多くの町民に参加していただき、健康維持に役立ててほしいですね。今日はありがとうございました。

▽大塚製薬工場 本社・徳島県鳴門市。
病院の点滴に使われる「輸液」事業が主軸で、経口補水液「OS‐1」でも知られる。香春町と同様の予防医療の推進に関する協定は、鳴門市、北海道釧路市、兵庫県小野市、富山県射水市と結んでいる。

■熱中症による搬送者は田川地区でも増加傾向

(田川地区消防本部による)
▽日頃からやっておきたい三つのポイント
(1)天気予報で熱中症の危険度を知る
(2)エアコンを積極的に使う
(3)食事と水分補給をしっかりする
▽熱中症になってしまった時のために
・経口補水液を準備しておく
・体調不良時にすぐ連絡できるよう、スマホなどを手元に置いておく