くらし [特集]おおまちで暮らす!働く!育てる!(1)

プロフィール
VO DINH TAN(ヴォディンタン)さん
ベトナム共和国出身留学を機に来日し、福岡で生活され、留学生のサポートや洋菓子店へ勤務を経て、令和5年12月大町町へ移住、令和6年4月に洋菓子店を開店

■佐賀県や大町町の人口の現状
佐賀県は令和5年10月1日時点人口推計において転入者が転出者を上回り、28年ぶりに「社会増」に転じたと発表しました。
大町町でも人口増に向けさまざまな政策を行っており、今月号は「おおまちで【暮らす】【働く】【育てる】」をテーマに特集をお届けします。今回、協力していただいたのは、大町町へ移住し、新規事業を始めたVO DINH TAN(ヴォ・ディン・タン)さん。令和5年12月に転入し、令和6年4月に洋菓子店を開業しました。大町町へ移住を決めたきっかけや町の魅力をお聞きするほか、町への移住促進の支援や新規創業支援、子育て支援についてご紹介します。

▽大町町への移住・定住の実態

POINT:町外からの定住奨励金受給対象者は増加傾向にあります。また、出生祝い金が該当者のうち、第2子や第3子以上の出生が増加傾向にあり、子育て世帯の定住も増加していることがうかがえます。

「この町と一緒に成長していきたい」
■人の温かさ、優しさを感じた
タンさんが大町町を選んだのは、まずは「出店する場所」がきっかけでした。もともと久留米市にお住まいだったタンさんは、武雄市山内町の洋菓子店の職場まで、毎日車で通勤されていました。通勤中に『大町町の国道沿いに、洋菓子店がない』ことに気が付き、ご自身のお店を構える際、大町町で役に立てればとの思いで、現在の店舗を選びました。大町町での出店を決めた後、通勤や勤務時間などを考慮して、移住を決めました。

■『故郷』と同じ雰囲気
次に、大町町での生活の感想を聞いたところ、「住みやすいです」とタンさん。特に住みやすさを感じるのは『人のあたたかさ』でした。「商品を購入されるときに、『ありがとう』とたくさんの人が言ってくれます。特にご高齢の皆さんが『またくるね!』と笑顔で話してくれます」と答えました。「大町町の田園風景や街並みが故郷のベトナムと同じに感じて、とても落ち着く」とも。以前福岡の中心街にお住まいの経験があり、人混みが苦手なタンさんは、大町町ならではの「良さ」を感じています。

■新店舗創業に一役
大町町新規創業等スタートアップ支援事業補助金を活用したタンさんは、「とても助かりました」と語ります。大町町には、下水道がないため、店舗を創業するには、合併浄化槽の設置が必要でした。他市町とは異なる対応には想定していなかったため、補助金を充てることができて助かったと話しました。
また、子ども転入奨励金の支給についても、「通園などいろんな準備をするのに助かった」とも話しました。

■将来的には「喫茶店」
「お店を開業するときに、一番心配だったのは【自分が作るケーキが受け入れられるか】だったが、実際に買いに来てくれた人からたくさん『ありがとう』を言ってもらった。大町町の皆さんに感謝している」と感慨深げにタンさん。今後の展望について伺ったところ、「喫茶店をやってみたい。ベトナム産のコーヒーを提供できたらうれしい」と話されました。