- 発行日 :
- 自治体名 : 長崎県長崎市
- 広報紙名 : 広報ながさき 令和6年12月号 No.887
ながさきに新たな風を吹かせる挑戦びと、“トライ人”を紹介するコーナー。
若者からベテラン、輝くみなさんの挑戦ストーリーとは!?
■『シャギリを後世に伝える』挑戦
長崎シャギリ保存会 田之浦組 松尾修作さん
▽トライ年表
2019年3月
・父親の影響で笛を習い始める
2023年10月
・4年間の稽古の後、矢上くんちでデビューを果たす
2024年9月
・長崎シャギリ笛・太鼓保持者に認定される
2024年10月
・長崎くんちに初めて出演する
◆師匠を超えるシャギリ囃子方(はやしがた)になる
哀調漂う独特な旋律で長崎くんちに彩りを添えるシャギリ。シャギリは傘鉾の奉納や演目の合間に、笛と締太鼓で演奏されます。「シャギリがないとくんちが始まらない」という人もいるほどくんちには欠かせない存在です。
シャギリに打ち込む父親の姿に影響を受けて、13歳から笛を習い始めた松尾さん。長崎くんちに出演するための厳しい認定試験に合格し、今年唯一の現役高校生として活動しました。
シャギリの担い手は年々減少していて、特に若手不足が問題になっています。シャギリの旋律には楽譜がなく、すべて口伝でのみ継承されるため、その技術を未来へ受け継ぐには後継者が欠かせないんだとか。そんな中、松尾さんの師匠である角さんは、地域のお祭りでシャギリを演奏するなど、子どもに興味を持ってもらうきっかけ作りに努めているそう。松尾さんがシャギリに挑戦するきっかけにもなりました。
今回、くんちに出演するにあたって約6カ月間、ほぼ毎日稽古を行いました。学業や部活と両立しながらの稽古は身体的にも精神的にもかなり大変だったと語ります。それでも、涙を流して喜んでくれる人の姿を思うと、頑張らずにはいられなかったそうです。
「今後も稽古を続けて、師匠を超えるシャギリ囃子方になりたい。音色だけでなく、礼儀作法も重視するシャギリを、色あせることなく後世につなげていきたい」と語る松尾さん。来年のくんちに向けて早速稽古を開始しています。今後の活躍に目が離せません。
◆「挑戦」に不可欠なものは?
▽仲間
シャギリが盛んな東長崎地区で育った松尾さんは、幼いころからシャギリの先輩たちに囲まれていたそう。口伝のみで受け継がれているシャギリだからこそ、仲間に教えてもらうこと、技術を競い合うことは大切であると語ります。
◆あなたの気になるトライ人募集!
市内で新たな一歩を踏み出す人、または挑戦を支える「トライ人」を募集しています。
自薦・他薦は問いません。市ホームページかはがきでご応募ください。