- 発行日 :
- 自治体名 : 長崎県対馬市
- 広報紙名 : 広報つしま 令和7年4月号
4月13日に大阪府で大阪・関西万博がスタートしました。日本では20年ぶりの開催となる万博は、世界中から人々が訪れ、新しい技術や、それぞれの文化を紹介することで、私たちが将来進むべき道を考えていく催しものです。この大阪・関西万博に、対馬も参加します。今回は、対馬が万博に登場する理由や、対馬から発信するテーマとその内容についてご紹介します。
■いのち輝く未来社会のデザイン
「人類の進歩と調和」をテーマに、昭和45年に行われた日本初の万博「大阪万博」から55年、日本で6回目となる「大阪・関西万博」が4月13日にスタートしました。世界中から様々なヒトやモノが集まり、地球規模の課題に取り組むための英知を結集する万博で今回テーマに掲げているのは「いのち輝く未来社会のデザイン」。
私たちの命は、この世界の様々なものと互いにつながりあって成り立っていますが、自分勝手な考えを優先するあまり、地球に存在する多くの生き物や自然環境を傷つけてしまうこともあります。これから将来にわたり、いのち輝く社会を守っていくため、パビリオンやイベントをとおして、来場する人たちに体験し考えてもらい、その考える輪を全世界の人たちに広げるための起点となる場所が「大阪・関西万博」です。今回の万博は、会場だけでなく、インターネットを活用し、オンラインでも参加することができます。
■海から未来を考えるパビリオン
大阪・関西万博には、世界158の国・地域、9国際機関が参加を表明し、様々なパビリオンを出展しています。その中で、海をテーマに出展を行うのが「ブルーオーシャン・ドーム」です。自然環境や地域社会について活動を行う団体や個人が参加しているNPO法人ZERIJAPANが設置し、運営するドームでは、来場者は、海が抱える課題と私たちが未来に向けて行うべき行動について考えます。「海の蘇生」をテーマにし世界規模の海の危機について発信するパビリオンで、対馬市が共催パートナーとして、対馬の現状と未来への行動を発信することになりました。
◇対馬の海が抱える問題とそれに取り組む姿は、世界のモデルになります
生物界には「廃棄物」というものが存在しません。様々な生き物が集まり、それぞれの役割を果たすことで、全てが何かの、誰かの役に立つものに変わっていきます。一方、プラスチックなど私たち人類が出したごみによって海は汚れ、人間の活動によって、地球は危機に瀕しています。私たちの団体は、全ての資源を循環させ「廃棄物」をゼロにしようという考えで活動し、今回万博に出展して、この取り組みを全世界に発信します。対馬の現状は、私たちの取り組みにとってとても大きな意味を持ちます。大量の海ごみが流れ着き、その問題を解決するために模索を続ける姿は、これからの人類の進む道にとって、示唆に富んでいます。
対馬の人たちは、歴史の至る所で、海を通じて世界とつながり、課題解決を図ってきました。そしてその行動が、実は、日本や世界の歴史で重要な意味を持っていたことがたくさんあります。
今、対馬の人だけでなく、日本や世界中の人たちが、対馬を起点に課題解決に向けて動き出しています。対馬での課題を解決することで、地球規模の環境問題の解決に向けたモデルになりうるからです。
6月には、この「ブルーオーシャン・ドーム」から対馬の現状や取り組みを発信し、ともに考える「対馬ウィーク」を開催します。ぜひ、この取り組みに参加していただき、対馬から世界を動かすきっかけにしてほしいと思います。
NPO法人ZERI JAPAN
理事 代島 裕世さん